※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File10:雲が流れる〉
背後から大きな影が落ちた。
「テメェ、なにしてるクソ女――!!」
戻ってきた島崎が、太い腕を私の首に回す。
島崎は私の首を締め上げようと、腕に力を込めた。
「……ッ!」
肺から空気が逃げていくようだった。
気道を締められるのは、ただ息を止めているのとは訳が違う。
背中側に密着する島崎の体温と、身体ごと首を持ち上げられるような感覚に総毛立った。
けれど、首を完全に締められることなく、島崎の腕は硬直した。
素早く視線を走らせる。
島崎は地面の方を気にしているようだった。
「彼女をはなせ……!」
視線の糸を手繰るまでもなく、朝比奈の声が鼓膜を突く。
大方、朝比奈が島崎の足を掴んだか蹴ったかしたんだと思う。
体幹がしっかりしてる島崎の身体は****************
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