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「File10:雲が流れる」のメインビジュアル

File10:雲が流れる

10

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2021年11月08日

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#ミステリー#サスペンス#謎解き
渡矢シキ

渡矢シキ

公式

※この物語はフィクションです。

実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。


〈File10:雲が流れる〉

背後から大きな影が落ちた。

「テメェ、なにしてるクソ女――!!」

戻ってきた島崎が、太い腕を私の首に回す。

島崎は私の首を締め上げようと、腕に力を込めた。

「……ッ!」

肺から空気が逃げていくようだった。

気道を締められるのは、ただ息を止めているのとは訳が違う。

背中側に密着する島崎の体温と、身体ごと首を持ち上げられるような感覚に総毛立った。

けれど、首を完全に締められることなく、島崎の腕は硬直した。

素早く視線を走らせる。

島崎は地面の方を気にしているようだった。

「彼女をはなせ……!」

視線の糸を手繰るまでもなく、朝比奈の声が鼓膜を突く。

大方、朝比奈が島崎の足を掴んだか蹴ったかしたんだと思う。

体幹がしっかりしてる島崎の身体は。。。

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