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#prtg
@ きみ以外なんて選ばないよ
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僕は嬉しさのあまり
自分には生えていないはずのシッポがぶんぶんと床に打ち付けられるような錯覚さえ覚えた。
「…ね、ねえ、しゅん!しゅんが家帰ってきて、僕がしゅんの服着てたら可愛いって思う…?」
調子に乗って、さらに甘えるような質問を重ねてみる。
「え?そりゃ可愛いとしか思わないけど…」
「じゃ…じゃあそうする!」
「でも、なんで急に?」
敦が不思議そうに尋ねてくる。
「えへへ……しゅんに可愛いって言われるの久しぶりな気がするから…もっと可愛いって思われたくて」
病気になってから、暗い顔ばかり見せていたから。
昔みたいに、彼にとって可愛い恋人でいたかった。
僕の言葉を聞いた敦は、大きなため息をついた。
「…うーん……既にめちゃくちゃ可愛いからさ?それ以上可愛くなられると困る、かな」
「へ?可愛いと、しゅん困っちゃうの……?」
どういう意味だろう、と純粋に疑問に思って見つめると
僕の発言に、敦は本当に照れているのか
口元を手で押さえながらふいっと目線を斜め下に逸らした。
耳のあたりが少し赤くなっている気がする。
「…うん。ひろってさ……昔から急に可愛いこと言い出すよね」
「そ、そう…?そんなつもりは無いんだけど……」
狙って言っているわけではないので、僕としては戸惑うばかりだ。
「ほら、そういうところ。めちゃくちゃ可愛い」
敦は降参したようにそう言うと、僕の頭を優しくくしゃくしゃっと撫でてきた。
「も、もう、敦ってば……」
子供扱いされたようで小言を言いつつも
内心満更でもない僕は、緩んでしまう頬の筋肉を抑えることができなかった。
温かい幸福感が、部屋を満たしていく。
◆◇◆◇
数時間後───
仕事に向かう敦を玄関で見送ると、パタンとドアが閉まった。
今日は珍しく朝から気分が良くて、体も軽い。
そんな風に一人リビングに取り残された僕は、ふと思った。
今日こそ敦が喜んでくれるようなことをしたい。
いつも貰ってばかりで、甘えてばかりだから。
何か小さなことでもいい。
やっておいたら、きっと帰ってきた敦は褒めてくれる。
喜んでくれる。
僕にできる範囲のことでなにかを。
そう考えたとき
やはり真っ先に思いついたのは、彼がいつも綺麗にしてくれている部屋の掃除だった。
しかし、家中の全ての部屋を掃除するほどの気力は今の僕にはない。
途中で動けなくなったら元も子もない。
となると、思いつくのはひとつだった。
あそこなら、今の僕でもできるかもしれない。
「よし!しゅんのお部屋だけでも綺麗にするぞ…!」
ぐっと拳を握り、そう意気込んだ僕は
家庭用の小さな卓上ちりとりやウェットティッシュ、ハタキを両手に持って
少しワクワクした気持ちで敦の自室にお邪魔することにした。
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