「い…やっ…」
「いいねぇ…その声。ゾクゾクする…」
耳元で煽るような声とともに、吐息がフッと吹きかけられる。
「んぅ…」
逃げたくても、両腕で顔を挟むように壁に押し当てられていて、逃げ出すことも叶わなかった。
「なぁ…理沙、俺のものになれよ? 恋のひとつも満足にできないような銀河の奴なんか、とっととあきらめてさ」
「やめてっ! あなたのものになんてならないから……!」
覆い被さろうとする流星の胸を必死で押し返して、声を荒げる私に、
「もっと、叫べばいい…」
流星がくくっ…と押し殺した笑い混じりに口にする。
「ほら、もっと叫んでみせろよ。その方が、俺もそそられるしな…」
唇が、耳の付け根から頬を滑り口の端に触れる。
キスを拒んで背けた顔が片手でわし捕まれて、無理やりに正面へ向けさせられる。
「キスぐらい、させろよ…」
顎が強引に押し下げられ開けられた口の中に、濡れた舌がぬらりと入り込んだ。
「ん…うっ」
声が出ない代わりに、目尻に涙が滲んだ。
「……泣くほど、嫌なのかよ……」
すると、泣いたことを察したらしい流星が、唇を離してぼそりと口にした……。
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