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第三者目線で見ると誰も救われなさそうなのほんとにさぁ
──────メテヲさん視点──────
生き返った命。目の前にあるのも同じく生き返った命。メテヲたちは同じ境遇に恵まれ、同じ世界に生まれ、同じ時を過ごしたのだ。そんな奇跡、そうそうない。
…けれど、今目の前に立ち塞がっているのは紛れもない敵で、そして数十億年という時を生きる精霊王だ。───馬鹿馬鹿しい。歳をとって、あらゆるものを目にしたのならば自分の神への侮辱という過ちに後悔し、懺悔をしなければいけないことくらい理解できるだろうに。それが出来ないなんて、実に哀れで惨めだ。
みぞれさんと初めて会った時のことを思い出す。メテヲが死神様を探しに、地上に降りた時に、めめさんにめめ村に入るように勧誘される。どうせ、1000年は地上にいるのだから暇つぶしを兼ねてメテヲはめめ村に入った。───こんなに死神様が近くにいたのに気づかなかったのは名前の偽装や、神の気配がしなかったからだ。彼女の体からは地上特有の気配を感じた。それに、メテヲは死神様にあったことも、見た事もなかった。わかるわけもないのに。
───みぞれさんを一目見た時は驚いた。精霊が下界で暮らしているなんて聞いたことがない話で。しかも、本人はそれに対して何も疑問に思っていなかった。ただ、その透き通る瞳が地上を愛らしい目で見ていたことははっきりと覚えている。この時、メテヲはなにかの運命を悟った。どのような運命かは分からない。けど何かしらの縁が、あったような気がしてならなかった。───気の所為だと、メテヲの人形を殺した時まではそう思っていたけれど。
今日、見て。メテヲは確信する。こうなる運命だと、定められた運命なのだと。いくら過去を、未来を変えようと今が変わることがないのだと。あらゆる世界、空間、時間を見てきたけれどこれほどまでに強い因果は見たことがない。メテヲ達は最高神様の手のひらの上で踊らされるしかない。チェスの駒であり、ポーカーの1枚のトランプでしかないのだ。
───なら、メテヲは最初から最後まで道化を演じよう。メテヲを助けてくれたのは最高神様だけで。他は表面上だけ心配し、助けてくれる。その癖して、本当の危機は救ってくれない。ただの自分が気持ちよくなる為だけに善行を振りまく。ただ、その行動に責任を持たない。助けるのは一時的。───でも、最高神様は違う。メテヲの心がボロボロな時に助けてくれた。メテヲを救って、助けて、育ててくれた。こんな素晴らしいことは無い。どの奇跡より奇跡で。この時空にたどりつけたメテヲの運の強さに嫉妬してしまうほど。だからこそ、役に立たねばならない。簡単に駒を取らせてはいけない。メテヲ畑田の捨て駒だが、何も役に立たずに死ぬのと、キングを追い詰めるのでは、駒の役立ち度が違う。期待されているのだ。その分答えるのが恩というものだろう。
メテヲは右手に長柄武器を持ち、ぎゅっとそれを握りしめる。こんなに力を込めているのに、手は一向に冷たくて。体は死んでいることを悟る。
メテヲは嘘をついた。みぞれさんが死んだあと死ぬ、って言ったけど本当は。───時間経過で死ぬ。体が崩壊していくからだ。そもそも食われた肉体が再生している方がおかしいのだ。いくら丸呑みと言えど、完全に消化されたものだ。ぜんの血肉として作り変えられたものを取り除き、それを原型に戻せただけだも奇跡である。その奇跡を無駄にしてはいけない。
「お互い、本当は死んでいたんだ。なら、潔く一緒に死のう?心中ってやつかなw?まあ、メテヲはみぞれさんのこと大嫌いだけどね。早く死んでよ。ねぇ。」
「…私は初代最高神様からの命で遂行しているんです。いくらあなたが神であろうと最高神様の命令を聞かないのは───」
「ばーか。メテヲは最高神様なら誰でもいいわけじゃない。今、このときを生きている最高神様に従順なだけ。そこんところ、勘違いしないでねー」
みぞれさんが必死に言い訳を並べる。───みぞれさんは知ってしまったのだ。メテヲとの相性の悪さを。一方的に殺される恐怖を。善戦すら出来ずに仲間の支援もできず、助けることも出来なかったことを。
だから、殺すのは簡単。1度死んだものならば尚更。その恐怖を知っているのだから。
「あ、そうそう。みぞれさんは初代最高神様が完璧なんて言うけどさ。イレギュラーには対応していなかったみたいだね。───まあ、そりゃそうだよね。メテヲ、最高神様の力を今、使ってるんだもん。」
「──────え?」
「知らなかったの?…あぁ、使う前に倒しちゃったんだもんね。ごめんねぇ?改めて名乗るよ。メテヲは『時空神』。あらゆる時を、空間を、イフを全て見ることが出来、また管理するもの。その力をメテヲは祝福として貰った。」
つまり、とメテヲは続ける。みぞれさんの顔が青ざめるのがわかる。
「メテヲは最高神様が予想していなかった。本当の力をわけあたえられたもの。予測のしようが無い例外中の例外なんだよ。」
みぞれさんはありえない、とばかりにメテヲを見上げる。それはそうだ。最高神様の力を耐えうるものなんていなかったのだから。そんなものが、弱体化しつつあるこの世界で。その力を受止め、器となれるやつなんて予測したとしてもその考えは外すだろう。───だって、ありえないのだから。今、この瞬間。メテヲが言うまで。
ここで切ります!みぞれさん!2度目の死ですね!一周忌とか2回やるんですかね?…不謹慎なのでやめておきましょう。あ、ネタなのでまともに受け取らないでくださいよ…?
てことで、例外2人目メテヲさんです!八幡さんとメテヲさんが例外として描かれました。なぜこの2人なのかと言うと単純に強いイメージがあったのと、色の対比が綺麗だったからですね。水色と黄色。それ以上でもなく、それ以下でもない。ウパラテは?と思うかもしれませんが、あれはライバルという対比で書きたかったので没になりました。まあ、2人も充分例外ですけどね。神が下界に落ちるなんて神界史上初でしょうからw
それでは!おつはる!