テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
蓮の前では何とか堪えた涙も、一人になると壊れたように止まらなくて。一晩中泣き続けて見事なくらいに瞼が腫れ上がった。
冷やすのと温めるのを交互に繰り返すことで何とか治めて、仕事に向かう。
今日が振り入れと打ち合わせだけで良かった。
昨夜のうちに深澤には連絡して、蓮と別れたことを伝えた。
電話越しに「何でそんな大事なこと1人で決めたんだ」って怒られたけど、もう決めたんだから仕方ない。
「なるべくフォローはするけど期待するなよ…俺には荷が重い」と電話を切る直前に言われて。
どういう意味だろうって思ってたけど、現場に入って分かった。
蓮はいつも通りだった。一見すれば。
なるべく俺の方を見ないようにしてるのを除けば、メンバーとも話すし冗談に笑ったりもする。
でも違う。
上手く言えないけど、いつもの蓮じゃない。
目の奥がどんよりと澱んだように昏い。
気付いてるのは、俺と深澤。あと多分涼太と照も。
心配だったけど深澤から「今日は話しかけるのやめとけよ」って言われたし、俺もその方がいいと思ったから遠くから見てるしかなかった。
それにこの時はまだ、時間が経てば落ち着くだろうって思ってたから。
それがそもそもの間違いだったってことを、徐々に知っていくことになる。
目の下のクマを上手に隠して蓮は笑う。少し痩けてきた頬も誤魔化して。
蓮に別れを告げてから2週間経つ。
時間薬ってよく言うけど、蓮にはその兆しが一向に見られない。
心配になって、つい声をかける。
深澤と照にも相談して、メンバーとして声をかける分には大丈夫だろうと判断したから。
「なあ、蓮…ちょっと痩せたよな? 飯、ちゃんと食べてるのか?」
「…どうしたの、佐久間くん。心配しなくても大丈夫だよ?」
「でも、クマも酷いし…ちゃんと寝てるか?」
「大丈夫だよ。どっちも最低限は取ってるから」
「けどさ…っ!」
「大丈夫。だから。佐久間くんは気にしないで」
昏くて光のない目で微笑んで、そうやんわりと拒絶される。
心配なのに、それを受け取って貰えない。
ほんの少しだけ、後悔の念が生まれてきた。
何で俺は蓮を心配する権利を手放してしまったんだろう。恋人のままだったら、もっと踏み込んでいけたのに。
「なあ、深澤…」
「…だから言っただろ。俺には荷が重いって。佐久間の言葉が届かないのに、俺の言葉が届くわけないんだよ」
深澤に助けを求めると、大きく溜め息をつきながらそう言われた。それでも照と交互に何度も蓮に声をかけてくれる深澤は、やっぱり優しい。
今ではメンバー全員が蓮の様子を心配している。
必然的に俺と蓮が別れたことも知られて、阿部ちゃんと涼太には「めめが可哀想にもほどがある」と言われた。
翔太には「めめの想い舐め過ぎじゃねーか?」と軽く責められて。
俺なりにたくさんたくさん考えて、最善と思える選択をしたはずなのに。
一つだけ確実なのは、こんな蓮を見たかったわけじゃないんだ。
自分がこういう鬱々とした話の続きを待てないタイプなので、今回はどんどん上げていきますw
だって気になるじゃん。気になって何にも手に付かないじゃん
107
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!