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森の中で鈴の音が不気味に響く。少女は相変わらず冷たく笑いながら、黒い鈴を揺らしていた。その姿はどこか妖艶でありながら、無邪気な残酷さを孕んでいる。
「ふふ、ねえ、お兄さん。」少女が舌足らずな声で話し始める。「怖い顔して、どうしたの?もしかして……恥ずかしいの?」
翔はその言葉にぎくりと反応した。額から冷や汗が滲み出す。
「なんだよ……?」翔は銃を構えながらも、動揺を隠せないでいた。
「だって、分かっちゃったもん。童貞でしょ?」
その一言で、翔の顔が真っ赤に染まる。
「何言ってんだ!ふざけるな!」翔は怒りを込めて叫んだが、心の中では焦りと羞恥心が混ざり合い、完全に動揺していた。
「図星なんだぁ。かわいいねぇ。」少女はわざと挑発的にウインクをしながら、鈴をさらに強く鳴らした。
その瞬間、周囲の景色が歪み始めた。翔の足元に黒い影が広がり、地面が溶けるように変化していく。
「これが『神隠しの庭』よ。童貞や処女の人だけを閉じ込められる特別な結界。お兄さん、ここで私と遊ぼうよ?」
翔は銃を構えたが、指が震えてうまく引き金に触れられない。結界の中では、彼の頭の中に次々と少女の甘い声が響いてきた。
「どうせ撃てないんでしょ?お兄さんみたいな純粋な人は、こういうの初めてなんだから。」
少女は色仕掛けをするようにゆっくりと近づいてきた。服の肩紐をずらし、挑発するような視線を送る
「さぁ、どうするの?私を撃てる?それとも……もっと面白いことしちゃう?」
翔は歯を食いしばりながら銃を構え直した。しかし、少女の挑発的な仕草と言葉が頭をかき乱し、体が硬直してしまう。
「くっ……お前、いい加減にしろ!」
しかし、少女はさらに一歩近づき、囁くように言った。
「お兄さん、私を撃ったらどうなるか、知ってる?この庭はね、消えないんだよ。それに……童貞さんには、特別な罰があるの。」
翔が引き金に触れたその瞬間、少女の瞳が赤く光り、鈴の音がさらに大きく響いた。翔の心に直接語りかけるような声が響く。
「さぁ、お兄さん、どうする?撃つ勇気なんてないんでしょ?それとも、私の遊び相手になる?」
翔は悔しさと羞恥心で顔を歪めた。彼はどうにかしてこの状況を打破しようと必死だったが、結界の力と少女の色仕掛けに完全に押されていた。
(このままじゃやられる……!)
翔は一瞬目を閉じ、深呼吸をした。そして、思い切った行動に出る――。