翔は思考を巡らせた。銃を撃つこともできず、このままでは完全に少女のペースだ。しかし、ふと彼の頭に妙なアイデアが浮かんだ。
「だったら、こっちもやらせてもらう!」
翔は覚悟を決め、目の前の少女のスカートを一気にめくり上げた。
「きゃっ!?」
少女の声が高くなり、結界全体が揺れるような感覚がした。その予想外の行動に、完全に虚を突かれた少女は思わず赤面する。
「な、なにしてるの!?変態!このヘンタイ童貞!」
翔は動揺しつつも、ここぞとばかりに反撃の言葉を放つ。
「お前が挑発してきたんだろ!俺を恥ずかしがらせて楽しいのか?だったら、今度はお前の番だ!」
少女は必死にスカートを押さえながら後ずさり、顔を真っ赤にして叫ぶ。
「この、このバカ!そんなことしたって無駄なんだから!私が恥ずかしいなんて思うわけ――」
その瞬間、結界の黒い影が再び波打ち始めた。
「――えっ?」
少女の驚いた表情が浮かぶ。結界が動揺しているのだ。翔の行動が、どうやら少女の精神的な集中を乱したらしい。
「もしかして……これが弱点か?」
翔はにやりと笑い、さらに少女を挑発するような言葉を投げかけた。
「どうした?お前、恥ずかしくないんだろ?もっとやってほしいか?」
「や、やめて!それ以上言わないで!」少女の声が焦りに満ちている。
鈴の音も弱まり、周囲の歪んだ景色が少しずつ元に戻り始めた。
「よし、このまま押し切るぞ!」翔は心の中で自分を奮い立たせる。
「お前が俺をからかうなら、俺だって仕返ししてやる!」
しかし、少女もただでは終わらない。
「ふふ……お兄さん、いい度胸してるじゃない。でも、そんなことするからには、覚悟してよね。」
赤い瞳が再び光り、少女の雰囲気が一変した。
「次は本気で遊んであげる。お兄さんの『弱さ』を、もっと暴いてあげるから!」
翔と少女の戦いは、より激しい心理戦へと突入していく――。
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