私が…私の中からあいつを追い出すのに必要なのは【愛】に触れる事だった
そして気づいた…なぜ生まれた頃からコイツが中にいたのか…それは、愛に…親に愛されていなかったからだ
私は幼少期…いや、産まれた頃から親に愛されてなかった…
軽いネグレクトだった
欲しいものは買って貰えず…毎日暴言…大きくなれば暴行も増え幼い頃の私の体には生傷が絶えなかった
そんな私はいつしか自分を責め始めた…
きっと…そのせいだろう…そのせいでコイツが私の中に入ってきたんだ…
こいつは…「人の憎悪」「怒り」「悲しみ」その他の負の感情から成り立つ「負力」という魔力を食らう悪魔だった
名前は基本的に付けられてないらしいが人々からは一括りに「悪魔」と呼ばれている
イリア)…愛……
そう思えば私がオーターさんと暮らしてから暴走が起きていなかったな…と、思いオーターさんに聞こうかと思いオーターさんの仕事場に顔を出す事にした
仕事場
コンコンコン…
イリア)し、失礼します!イリアです!
声をかけるとオーターさんが扉を開け「目的のものは見つけられましたか?」と聞いてきた
イリア)えっと…み、見つけられて…それで、聞きたい事が出来たので…
オーター)そうですか、中に入って下さいお茶を出します
イリア)!!はい!
部屋の中に入り私はソファに座りお茶が出てくるまで待っていた
その間何をするかって?特にすることはない、ただ自分のしっぽを握って待っているだけ……
何を言われるか……とか、正直してらん無い…分かっていたのなら別にそれでいい……感謝を伝えて残り数ヶ月ぐらい居させてもらってその後私は退学届けを書いて学校から出ていくだけ……ただそれだけだ
オーター)それで…何か用事で来たみたいだが……何を聞きたいんだ?
イリア)えっとね、オーターさん……私の…その、中にいるヤツの事……分かってました?
紅茶を飲んでいるオーターさんにそう聞くと一瞬動きを止めたがまるで何も無かったかのように一口だけ飲んで「分かってたらどうするつもりだ」と聞いてきた
イリア)えっと…特に何か言うつもりは無いんです、ただ……その…「ありがとうございます」とだけしかわたしは伝えれません笑
オーター)感謝を伝える為に?
イリア)も、もっとありますよ!えっと…まぁ、簡単に言えばあと数ヶ月?早くて数週間?はもう少しお部屋にお邪魔しますってことですかね……笑
力無く笑い「あと少しで私はオーターさんの部屋から出て行ってイーストンからも出て行って…やる事ない……けど、働き先も見つけて…何だかんだやって行きますよ笑」なんて言うとオーターさんは「なんでお前が出て行く必要がある、普通はお前の中にいる奴が出て行くべきだろ」と言われ私は顔を暗くして「出て行っても私がやったのは殺人未遂です…、もう学校中には私の噂でいっぱいになってます……明日には…」と言えばオーターさんに魔法で手を拘束されオーターさんがソファから立って押し倒してきた
イリア)え…あ、あの……オーターさん
オーター)確かにお前からアイツを追い出す為に優しくした、でもなそれだけじゃねぇ、そんだけだったら他のやつに任せる
イリア)あ、あの…
オーター)確かに最初はお前を監視する為に呼んだ、だがな…監視兼同居をしてよーく分かった、お前は色々無茶をしすぎだ、無茶をして最終的に体を壊すのは嫌だろ……だからな
オーターさんに頬を掴まれ顔を向けられた
イリア)え、あ…ちょっ……
オーターさんの目は凄い鋭くてなんと言うか……怒っている顔だった
イリア)ご、ごめんなさい…不愉快……でした…?
オーター)違ぇんだよ、お前は何もかも抱え過ぎてんだよ…だからな……
イリア)んぇ…ちょっ……
オーターさんの唇が私の唇に触れ「お前が不幸にならないよう俺が色々手を回してやる、だからここからも……俺の部屋からも出て行くなんて言うな、俺が助けてやるお前が苦しまないようにしてやる」と真剣な目で見られ真剣な声で言われた
イリア)そ、それって……あの、どういう意味…ですか
オーター)お前と暮らしてる間に惚れた、だから俺のそばにいろ
イリア)え…あ、私……そういうの…全く考えてなくて……
オーター)考えてないと思ったから今ここで言ったんだ、別に嫌だなんだと言われても構わねぇ、そう言われる覚悟で言ったからな
オーターさんは体をグッと近づけ伸し掛るように顔を近づけて来た
イリア)ちょっ…くるし……です…
オーター)安心しろ、真上に乗っかってるわけじゃねぇ
イリア)そ、それよりも……なんで…あの……えっと、私…
オーター)イリア、嫌だって言われても俺はそばに居るからな
イリア)え、ちょ……
オーターさんは離れ魔法を解いた
オーターさんは「すまない…怖くなかったか?」と聞いてきて私は首を縦に振って……オーターさんの服の裾を掴んだ…
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