⚠緩め
司類
多分とっても甘いと思います(^o^)
視点→類
目を開けた
僕は夢を見ていたようだ
内容は、暗闇に僕と、僕の想い人のあの人だけが居る。
それで、僕が手を伸ばしたら、あの人は笑って何処か遠くに消えていくという
「…はぁ、とんだ悪夢だ。」
重たい腰を上げ、伸びをする
いつもより目覚めの悪い朝は、外を見ると雲一つない快晴だった
仕度をし、家を出る
いつもより家を出る時間が早かったからか、まだ周りを見回しても人は少なかった
ショーのこと、昨日あった面白い出来事のこと、
色んなことを思い出して、嫌な記憶をかき消そうとしていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた
「おお!!類ではないか!」
その声に振り返ると、タイミングが悪く、今は会いたくない人がいた
「あ、ああ、司くん、おはよう、朝から元気だね」
そう言うと、彼はふわりと音を立てるように微笑んだ
「ああ、にしても、朝から類に会うとはな、いつもより早く起きたのか?」
「うん、昨日は時間があったから早く寝たんだ。」
そんな事を話しながら、自然と一緒に学校へ歩く
やはり彼はなにかしら力があるのか、彼と話していると自然と笑顔になれた
学校につき、昇降口で彼と一旦別れて教室へ行く
朝はあんなにどんよりした気分だったのが、本来会いたくなかった人のお陰で絶好調になりそうだった
その日の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る
その音が鳴った後、荷物を取って屋上へ向かう
何となくここに来れば彼は居る気がしたから、
でも屋上に彼はいなかった
(そのまま帰っていったのかな…?)
そう思い、自分の教室に戻る
もうすっかり人は居なくて、隣の教室に行くとその人は居た
「あっ…、!司く…っ、!」
嬉しい感情を抑えたつもりが、出した声が少し大きくなる
彼は疲れているのか、机に突っ伏して眠っていた
「…寝てる、」
そのまま彼の机の近くまで歩き、顔を覗き込む
いつも騒がしい彼とは違って、静かで、目を瞑っている
「…綺麗だなぁ…。」
彼の髪を少し触ると、それは柔らかかった
「…」
「…司くん、…好きだよ」
「…いつも騒がしいところも、そう思ってたら偶に真面目な姿を見せるところも、…」
「……優しいところも」
そう言い終わると、何だかくすぐったくて笑いがこみ上げる
「……なんてね、こんなこと、相手が寝てなかったら言えないよね、」
「…まぁ、実際に言っちゃったらどうなるか分かんないんだから…」
そう言いながら彼の方を見ると、
…こちらを見ていた
「…えっ…」
僕が驚いた声を出しても、彼は口を開けて目をパチパチとしているだけでなにも言わない
冷や汗をかいている気がする
「……」
気づけば逃げ出していた
「ちょっ…!!る、るい!!」
そう叫ぶ彼の声を聞こえないふりし、昇降口へ向かう
「…はぁ…、はぁ…」
心を落ち着かせて、真っ先に考えた
やばい。終わった。
そんな事を考えていると、足音が聞こえた
「…はぁ…いた…。」
そう言う彼は、嫌そうな表情はしていなかった
「…司く…」
僕が口を開こうとすると、彼は先に喋りだした
「…その!」
少し大きめの声で話しだした彼は、続けた
「…さっきの…」
「…あ…っ、!…あの…その…あれは…」
僕がそう言おうとしたら、彼はそれより大きな声で言った
「あ、ありがとう、!!」
「…えっ、?」
予想外の答えが帰ってきた
そう言う彼の表情は、とてもお世辞でも何でもなく、本心から言っていることが分かった
「あの…その…オレ自身…まだそう言うのよくわからないが…」
「…嬉しかった。」
「…うん、」
そのとき、何となく思った
(ああ、振られるのかな)
そう思った途端、それとは真逆の答えが返ってきた
「オレからも言わせてくれ、!!!」
「…えっ…、?」
そう言うと、彼は僕の手を取って大きな声で言った
「好きだ!」
「……えっ…、?」
「だから…その…」
「…付き合ってほしい」
「え…あ……、」
「…はい、」
その瞬間、何人かの歓声が聞こえた
…そういえば、ここは学校で、放課後とはいえ人がよく通る昇降口。
先生やら委員会などで残っていた生徒たちが拍手している
「……」
お互い顔を見合わせ、栓が抜けたようになにかがこみ上げてきた
「……あははっ、」
その日はお互い笑いあって、二人で帰って行った
翌日学校全体が変人ワンツーが付き合ったという噂で溢れたのは言うまでもない
コメント
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(久しぶりにちゃんとした司類書いた気がする)