警察署員皆で年越しの瞬間を過ごし、そのまま初詣に行こうとデスマウンテンの頂上を目指すことになった。
「つぼ浦ザバザード3人乗れるぜ!」
「はーい乗せてー。」
「アオセンもヘリ出したほうが良いんじゃないすか?」
「えーそう?平気じゃない?」
「…あれ見てもそう言えるか?」
目の前で警察ヘリが街灯に引っかかりプロペラが取れた。幸い怪我人は出なかったがインパウンドしてメカニックを呼んで、と急に忙しなくなる。
「…あーじゃあヘリ出すかぁ。」
「先行ってようぜ。」
1番に到着した青井とつぼ浦のヘリに乗っていた面々で先に神社にお参りをしようとなった。
「お賽銭か…やっぱりE5バーガーだろ!」
「何入れれば良いの?」
「自分の1番好きなもんあげれば神様も喜ぶだろ!猫くんは魚とかか?」
「いや、ヤニやね。」
「じゃあ俺はホットドッグ入れよ。」
「犬くんはホットドッグが好きなのか、美味いもんな!アオセンも入れたすか?」
「うん、カジノコイン。現実的に考えてこれが1番お賽銭っぽいだろ。」
「なんか夢ねーなー。そしたら手合わせてお願い事するんだ、こうやって…」
並んで手を合わせていると遅れてやってきた他署員達も参拝を済ませる。山の頂上から街を見下ろしながら去年の振り返りやら今年の抱負やらで盛り上がった。
「よぉしじゃあそろそろお開きにするか。」
「我はここで初日の出まで見ていくつもりだが他にはいないのか?」
「初日の出か、俺らはどうする?」
「ん?アオセンは?」
「俺はどっちでも良いかな。」
「んー…じゃあ帰りたい。」
「じゃあ帰ってゆっくりするかー。」
山に残る組と帰る組に分かれ署員達を送り届けてから2人も家に帰った。ソファに並んで座り一息つく。
「この街もなんだかんだ長くなってきたしなんか年明けた感じしねーなー。」
「でも去年と違う所もあるじゃん。」
「違う所?なんかあったっけ?」
「俺らが付き合って初めての年越し。明けましておめでとう、今年もよろしくね。」
「ぁ、そうか…///こっちこそよろしくっす。」
嬉しいような照れてるような顔をしながら青井のほうに身を寄せてきたつぼ浦の肩に腕を回した。
「お願い事何した?」
「そんなん人に教えるもんじゃねーだろ。」
「そういうもん?俺にはいーじゃん、教えてよ。」
「嫌でーす、てか人に聞くならまずは自分から教えやがれ。」
「つぼ浦が言わないなら俺も教えなーい。」
お互いがお互いとずっと一緒に過ごせますように、と願い合った事は明かされないままとなった。
「初日の出は見なくて良かったの?」
「まぁ別に、早く家帰りたかったし。」
「あれ疲れてる?もう寝る?」
「いや違う…早く2人になりたかった、から…///」
「ふふ、そっかぁ…かわい。もっとくっつこ。」
膝に乗せて背中を擦るとつぼ浦は完全に身を委ねて首元に顔を埋める。
「つぼ浦さぁ毎日可愛い事ばっかしないでくれる?可愛すぎて供給過多で俺いつか死んじゃうかも。」
「んなアホな事ばっか言ってるとマジでアホになるぜ?」
「何それ酷ーい、傷付いたんですけど?」
「あーハイハイすまんすまん。てかアオセン寒くないすか?肌冷たい。」
「まぁデスマウンテン寒かったからな、つぼ浦だってその格好で寒かったでしょ。一緒に風呂入ろ?」
「んー、どうしてもって言うならしゃーねーなぁ。」
そう言いながらも嬉しそうにはにかむ顔が見えるとまた可愛いなぁ、と思いながら頭を撫でた。
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