※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File73:不透明世界〉
「やあやあやあ」
「主人公は遅れて登場するものだよ」
所用で出かけていたはずのリンダと、最近姿を見せないケントの姿があった。
リンダは「ごめんよ」と智世を押しのけ、堂々とソファーに腰を下ろした。
私の分のお茶を飲んで一息つくと、膝の上で手を組んで草麻さんを見据える。
「お会いするのははじめてですね、山里草麻さん。この探偵事務所の社長の林田と申します」
リンダのやたらよく通る声に虚を突かれたのか、草麻さんは唇の動きだけで「はい」と応えたようだった。
淀んでいた空気が回りだしたのを感じた。
なにするつもりなの、と詰め寄りたいところだけど、流石にそれはできない。
明朗な横顔を、少しハラハラとした思いで見守る。
「早速ですが、本題に入らせていただき***************************
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