TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する




地球向こうでも車を買ったり色々あったが、異世界こっちでも色々とあった。


「出来ました!どうですっ!?」

「いや、どうと言われても…何が?」

朝、水都の屋敷で相変わらず寝坊していた俺をエリーが起こしに来た。

「車ですよ!く・る・ま!」

「なに?ホントか!?」

俺は寝起きのままエリーに連れられて、裏庭へと向かった。



「凄いじゃないか。動くんだろ?」

「はい!当たり前ですっ!前より調節が細かく出来る様になったですっ!」

おお!ちゃんと進化しているんだな!

目の前の車はちゃんとした車だ。何せエンジンを降ろしただけで、ガワは全てそのままだ。

車種はラン◯クルーザーだ。これなら多少の悪路でも平気だからな。俺はジ◯ニーを推したんだけど、聖奈さんから「狭いから嫌!」と言われてこれになった。

何でも今回の魔導車は、ブレーキやアクセルが既存のものだからそれに接続するのが大変だったようだ。

もちろん必要のないマフラーやエアコンなどは地球で外してきている。

エアコンなど無くても代用の魔導具がある。これもドリトニーのお陰だ。ありがとう。喧嘩売ってくれて。

「後は…ホントにするんですぅ?」

「ああ。このままだと目立ちすぎるからな」

この後、この車にこの世界で作ったガワを張り付ける。

かなりカクカクした姿になることだろう。

「でも、折角綺麗なのに勿体ないです」

「そうだな。だけど悪いことばかりじゃない。ガワを足すことで強度が生まれて、魔物や野盗の襲撃から俺たちを守ってくれるかもしれないからな」

ホントはロールバーでも組みたいけど、内装剥がすと聖奈さんに怒られるからな……

こうして無事に旅の足が出来た。

ちなみに水都では王宮魔導具管理局長のイランさんがエリー一号機で走り回っているから、そのお陰で目立つことは少ないだろう。

他国にもすでに車の魔導具の情報は流れているはずだ。

他の魔導具を作っている所や扱っている店でも着々と製作が進んでいると聞いている。

誰から聞いたかというと、魔導士協会のお偉いさんがわざわざウチに来て『我々の開発した車が売れすぎてしまったら申し訳ないですがお許しを』と嫌味を言いにきてくれた。

むしろ流通してくれたら嬉しいから、心から『頑張ってください!』と伝えたら、不満げな表情をして帰っていった。




「順調そうだな」

俺は王都に転移して、机に向かっている聖奈さんに声を掛けた。

「うん。売上はもちろんだけど、最初に貴族を懲らしめたのが良かったね!ウチとトラブルを起こそうとする人は皆無だよ!」

「そうか。ドリトニーも役に立ったな」

むしろドリトニー様々である。お金も物もくれたし、店の良い宣伝にもなった。

「それでどうなったんだ?」

「ドリトニーはね…」

聖奈さん情報まとめ。

ドリトニーはやはり帳簿を当てにしていた。

もちろん帳簿どころか全てを奪ったので奴は文無しだ。

あるのは両親の代官の立場と子爵位のみ。

それすらも今回の件が第二王子により明るみになり、剥奪された。

王子と国王、そして帳簿に載っていなかった大臣職の貴族達は、帳簿に載っていた貴族を集めて懲罰を与えた。

載っていた役人は全てクビだ。リアルに首が飛ばなかっただけよしとしなきゃな。

帳簿のお陰で国の自浄作用が進み、税収が増える見込みとなった。やっぱり賄賂を受け取るような奴は税もチョロまかしていたんだな。

そして、もちろん役人の枠が空いたので、優秀な人材も登用出来たと、国は…王族はウハウハだ。

それで今回もお礼をとなったが、もちろん固辞した。

今回のはホントに身から出た錆…ちゃう。棚から牡丹餅みたいなもんだからな。

むしろ聖奈さんが感謝を伝えて、この件は終わった。

そりゃこっちの要望にホイホイ応えてくれる第二王子様に感謝ですわ。


「こっちはこれで一段落だね」

「ということは、向こうで何かあるのか?」

えぇ…旅に出ようよ?車はまだだけどさー。

「何言ってるの?決算だよ」

「えっ?決算って三月じゃないの?」

「別に三月って決まりはないんだけどね。ウチも三月に年度を納める決算だよ。でも、確定申告とか色々なものがすでに始まってるんだよ?」

なんだかめんどーだな。丸投げで!

「今年はセイくんの個人的な確定申告もしなきゃいけないし、ウチはかなり不透明なお金やモノが動いているから大変だよ」

うん。俺も一体いくら税金払えばいいのか分からん。会社とかもっとわからん。

教えて聖奈えもん!

「安心してね。実はもう確定申告は終わっているから。後は期日が来たら申告するだけだよ。会社も聖くんもね」

「そ、そうか。ありがとうな!」

やっぱり聖奈さんはドラ◯もんだったか。

そういや、マンションに置いてあるレシートボックスから領収書とか無くなっていたな。

ゴミみたいに溜まってたから処分したのかと思ったけど、そんなわけないよな。

「うん!ウチには優秀な税理士さんがついてるから安心だね!」

うん。その得体の知れない税理士さんが一番怖いです。

「それでこれが向こうの決算書類で、これがこっちの売上とかの書類ね!

面倒でも目は通しておいてね!」

なん…だ…この紙の束は……

面倒だけど折角こんな俺の為に作ってくれたんだ。目を通そう。合計の数字だけな!

細かい所?しらんな!




異世界売上表(二月三月分は見込み)

砂糖・・360,420,000ギル

胡椒・・172,240,000ギル

雑貨・・13,410,000ギル

お酒・・14,852,000ギル(内10,000,000は国王)



WS決算(二月三月分は見込み)

家具販売・・18,420,000円

宝石販売・・42,580,000円

雑貨販売・・1,765,000円(胡椒の売上から仕入れ)

ドリトニー財産・・7億円(今年度分のみ)




ドリトニー財産ヤバすぎだろ。お陰で車が買えました。

それにしても雑貨が余りすぎじゃないか?ハーリーさんからの仕入れを止めないと不味くないかな?

「なぁ。ハーリーさんからの仕入れを止めないと、雑貨の置き場がなくなるんじゃないか?」

「おっ!ちゃんと読んでるね!そういうことに気付けるのも、こういう書類のありがたいところだよね!」

うん。そうですね。それより……

「大丈夫だよ。売れ残るのは折り込み済みだから。それで引っ越しもしたかったのもあるんだよ。

こういう雑貨は何かきっかけがあれば売れるから、それまではこのままだね。もちろんそろそろ仕入れは止めるよ。このままだと引越し先にも置き場所がなくなるからね」

うん。毎回大量の物資をリゴルドーの家から転移させるのも飽きてきたからな。そうじゃなくても荷運びの仕事は他にもあるし。

「家具の方は順調か?」

「そうだよ。多分年間5000万くらいで頭打ちすると思うけど、それくらいまでなら職人さんを増やしていくつもりだよ」

そうか。今でだいたい半年でこの売上高なら、後二人くらいか?

「でも、企業が相手になれば即ちブランドだからもっと売れるけどね」

ああ。テレビの件ね……

「それで?最後まで目を通せた?」

「いや、まだだな」

「じゃあ最後だけでも見てね」

ん?最後か。

何何〜



資金(現在)

821,470,000ギル(内ドリトニーは7億)

会社

162,070,000円(内ドリトニーは1億5千万)

聖預金

68,000,000円



は?俺の口座残高がバグってるんだが?

「聖奈。俺の預金が間違っているぞ?」

「間違ってないよ。税金とか諸々で半分くらいなくなるから全部使っちゃダメだよ?」

いや、そういうことじゃ…それに使えねーよ。

待てよ…もう一台買えるな……

「セイくんには自分のお金でWSの会社の株を買って欲しいの。毎年定期的にね」

「よくわからんがわかった。任せるよ」

多分配当金とかでお金ちょろまかすんでしょ?

まぁ知らんけど。

あれ?そもそもウチって株式会社だったっけ?

ああ。そう言えば株式会社だったわ。

株なんて見たことがないけど、多分聖奈さんが保管してくれているんだろう。

いい加減ここに極まるだな。いつか会社を乗っ取られるのだろう。その時は清掃員として雇ってもらおう。

何となく報告はされたけど、別にどうでもいいな。好きにしてくれ。俺にはもう欲しいモノが地球あっちにないんだ。こっちでハーレムを作るのが俺の夢なんだ!

まぁ俺の代わりに野望の塊の聖奈さんが頑張ってくれるはず……

「あ。それから言い忘れていたけど、次の目的地も決まったからね!」


え…それは一言あってもよかったのでは?





〓〓〓〓〓〓〓〓小話〓〓〓〓〓〓〓〓

久しぶりに収入と支出を書きました…

もちろん端数は端折りました!無理です!←いや頑張れ

ミランとエリーのデザート代に消えたと思っておいてください!


ドリトニー財産は両方の世界で活用しています。


ここまで読んで頂き感謝です。水都編はもう少しです。これからもよろしくお願いします。

以下、小話。



エリー「6,000万円ってどれくらいですか?」


ミラン「プリンアラモード(400円)15万個分です」


エリー「セイさん。早く結婚しましょう」


聖「結婚してもデザートの量は変わらんぞ?」


エリー「セーナさんと協議してきます」


聖「あのーお相手は私なんですけど…」

〜ぼっちの月の神様の使徒〜

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

16

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚