ジッパーが下ろされる、鋭い金属音。
目の前で、Aが自分の欲望をその手に掴んだ。
その光景は、俺の中の何かを決定的に壊した。胃の奥から、熱いものがせり上がってくる。
吐きそうだ。気持ち悪い。汚い。
🧡(このまま、死にたいなぁ…)
いっそ、ここで心臓が止まってしまえばいい。そうすれば、この痛みも、屈辱も、恐怖も、全部終わらせることができる。意識さえなくなってしまえば、もう何も感じなくて済む。
そう、本気で思った。
でもその時。
絶望で真っ暗になった頭の中に、ふと、一つの最悪な可能性が浮かんだ。
もし、俺がここでいなくなったら?
もし、俺が壊れて、再起不能になったら?
この男はそれで満足するんだろうか。
いや、しないかもしれない。
🧡(次は、メンバーの誰かが…)
この歪んだストレスの捌け口が、俺じゃなくなった時。この男は、また新しい『おもちゃ』を探すんじゃないか。Snow Manの中から。
その想像は、死ぬことよりも、ずっとずっと恐ろしかった。
めめが?しょっぴーが?ラウールが?
誰か一人が俺の代わりに、こんな目に遭うかもしれない。
それだけは、ダメだ。絶対に。
俺が標的でいる限り、他の8人は安全だ。
俺がこの地獄を耐え凌げば、この火の粉がメンバーに飛ぶことはない。
その思いだけが。
その、たった一つの、仲間を守りたいという思いだけが、完全に砕け散りそうになっていた俺の理性を、最後の最後で、かろうじて繋ぎ止めていた。
コメント
2件

本当に優しいよなこーじ こんなひどい目にあってまでメンバーのことばっか考えてるんだもん!メンバー愛が素晴らしい!続き待ってます

康二~メンバー達が来てくれるまで頑張って。必ず希望の光が来てくれるから。A を倒してくれるからね。