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翌日、真梨奈はクリニックを休んだ──。
松原女史にそれとなく理由を尋ねてみると、
「二日酔いが酷いみたいなこと、言ってたけど……」
そう訝しげに答えて、
「でも……本当に、それだけなのかしら。また、ちゃんと出て来てくれればいいんだけど……」
と、怪訝そうな表情を崩さないままで、言葉を付け加えた。
真梨奈がいないので、受付は近野さんとすることになって、必要なこと以外は何も喋らない彼女は、よけいなこと以外うぃ考えなくてもよく、私自身も気が楽でもあった……。
お昼休みになって、近野さんをランチに誘った。
彼女とお昼を一緒に食べる機会はそんなにはなかったけれど、おしゃべりな真梨奈と比べると、信じられないくらいにおとなしかった。
ただ黙々と食事をするだけの雰囲気も気まずくなって、
「……近野さんは、政宗先生のことって、どう思ってるの?」
他に共通の話題もなく、なんとなく振ってみると、
「どう…って?」
と、不思議そうな顔で聞き返された。
「別に……たいした意味はないんだけど、ほら真梨奈も先生のことが気になってるみたいだし、近野さんはどうなのかなって……」
いざ聞き返されるとそんなことを問うた自分が急に気恥ずかしくもなって、もっともらしくその場を言い繕った。