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私「あの…」
和「しゅ…し、しゅ…」
私「…あのぉ、、?」
和「しゅ…ッやっぱ言えへん!!!」
わぁぁぁぁぁあ!と、大声を出しながら私の目の前から去って行く彼。
友「また大橋くん?w」
私「うん…ほんとにいつもなんなんだろう、?」
彼は大橋和也くんと言って、癒し系のフワフワっとした雰囲気を漂わせている男の子。
隣のクラスだから接点は無かったのだが、とある日を境に毎日関わる事に。
ー1か月前ー
私「あっ、ごめんなさい!大丈夫ですか…?」
和「あー大丈夫よー!俺もごめんなぁ?」
私「いえ、こっちがボールぶつけちゃったので…って、鼻血!!!!」
和「あ、ほんまや…」
男「おい和也大丈夫か、?」
女「ごめんねー大橋くん!!私のボールが…」
和「ほんまに大丈夫やで〜!ティッシュ突っ込んどこ!」
私「ほ…保健室!保健室行こう!」
和「へ、?」
私「心配だから、!頬も赤いし、痛そうだし、なんでも大丈夫で済ましちゃダメだよ!」
という流れで、1か月前クラスマッチ中の体育館から保健室へと大橋くんを連れ出した日。
あの日を境に、毎日何かを伝えようとしに来る彼。
だが今日のように、「し…しゅ…」と、いつも”しゅ”だけ言っては叫びながら帰って行く。
私「なんなんだろう…まだ気になってるよお…」
初めて聞いたときは何かと思い、驚きが隠せなかった。
今まで2回ほど問いただして聞こうとしたこともあったが、なかなか教えてくれず、。
1ヶ月も経つと慣れてくるものだが、やはり気になる…。
私「なんだろうなぁ…しゅ…しゅ…」
友「ちょ、危ない!!」
私「え?わっ!」
そうして考えていると、段差に気づけずつまずいてしまった。
私「いっ…た、」
友「ちょ…大丈夫?うわっ足!」
私「痛い…擦っちゃった、」
膝を思いっきり擦りむき、保健室行き。
私「やっぱり考え事は良くないなー、 」
友「ほんとだよー、ってやば!授業始まる!」
私「いいよいいよー、ここまで連れて来てくれてありがとう!あとは保健室の先生にお願いするから、!」
友「ごめんね、お昼食べてからまた来るから!」
友達に保健室の前まで着いてきてもらい、チャイムが鳴ったのでそこで解散。
ガチャ…
私「失礼しまーす…」
先「あら、どうしたの?」
私「先生!膝擦りむいちゃって…」
先「あら!って、盛大にやったわねー凄い…」
私「えへへ…」
先「実は先生今から会議で、保健委員の子が居るからその子にお願いしてもいいかしら? 」
私「あ、はい!ありがとうございます! 」
バタバタと出ていく先生を見送り、保健委員の人を探す。
昼休憩なのに保健室に居るなんて…
私「あの〜…ん?」
なんかお弁当みたいな匂い…
私「…あ」
和「…モグモグ」
ガッツリお弁当食べてる大橋くん
こっちに気付いてない…
私「…あの、大橋くん、?」
和「ビクッ」
私「…大橋くん?」
和「グフッ、ゴホッ、!?」
私「ちょ、大丈夫!?お茶お茶、お茶飲んで!」
和「ん、んん”ゴクゴク…ふぅ、」
私「驚かせちゃってごめん、大丈夫?」
大橋くんって保健委員なんだ…
まぁそんな感じするなぁ…
和「ど、どうしたん?今お昼やで、?」
あ、クラスマッチの時以来のちゃんとした会話
私「あ…ちょっと足擦っちゃって、」
和「えぇ!?大丈夫!?」
ビクッと体が揺れそうなほど大きな声で心配をしてくれた彼。
めんたま飛び出そうなくらい開いてる…
そんな驚くことか、?
私「ふふ、大丈夫だけど先生が会議で居なくて…だから保健委員さんに手当てお願いしたくて。」
和「あ…そうなんや、えっと…」
私「大橋くん、保健委員さんでしょ?」
和「あ…えっと、、」
私「手当て、お願いします!」
和「…ッはい!やります!」
和「痛く…ない、?」
私「ちょっと染みるけど、」
和「え!?大丈夫!?」
私「だ、大丈夫っ大丈夫!染みるけど我慢出来るくらいだよ!」
大橋くんは何だかすごく心配性みたいで、過保護なお母さんのよう。
和「い、痛いよな…ごめんな…」
私「んーん、ありがとう。」
和「ッ…うん」
あ、耳真っ赤だ
なんか可愛い…大橋くんは可愛い系の男の子だから何だか小動物を見ている気分になる。
私「…ねぇ、」
和「ッはひ!?」
私「ッふは!大橋くん可愛いよね、!」
和「かわ…そんな、」
私「ふふ…いつもさ、二限目の終わりに教室来てくれてるよね。」
和「ッ〜〜!」
うわ、首まで真っ赤だ
可愛いなぁ…女の子と話すの慣れてない?
私「…何言おうとしてるの?いつも」
和「ぃゃ…え…と、」
どんどん赤くなる顔
震えてる手
キョロキョロして止まらない目線
だけど何処か伏せ目がちで、少し色気があるような…
和「…言えへんよ、やっぱり。」
バチッと目が合う。
私「…やっぱり可愛いね」
彼は私のことが好きなんだと分かる目をされた。
言わなくても嫌でも伝わりそうな、熱を持った目線。
和「可愛いって褒めてへんやろ、、」
私「褒めてるよ。いつも言えなくて走って帰っちゃうとこも可愛いよね、ふふ」
和「ッ!」
私「ね、こう言うのは男の子から言う物じゃないの?」
和「…へ、?」
言って欲しい。
好きなら好きって。
ホントに好きならちゃんと。
言ってくんなきゃ自分の気持ち分かんないよ、私。
私「お願い。」
和「…..」
和「好き…です。」
その時彼に、いつもの真っ赤で耐えられない、苦しい、と言ったような表情の面影は無い。
ただ、純粋に
“好き”
をぶつけてくる
真剣な眼差しだった。
私「…どうして?」
和「…前、”なんでも大丈夫で済ませちゃダメ”って、俺の事保健室まで引っ張って連れてってくれて…」
私「うん」
和「…俺、大丈夫や無くてもなんでも大丈夫やって言ってまうから…気付いてくれたん嬉しくて、」
私「…うん」
和「やから…やからその、」
私「…それって恋愛として、、なの?」
和「へ、?」
私「恋愛として私の事好き…なの?」
和「…それは、」
私「だってそれ以上言ったらその…付き合うとかってなってくる…よね、?」
和「つきあッッ!?!」
え、?そういう事じゃないの?
さっきの目はなんだったの…
私「…友達としてなのであればもちろんその…お友達だよ、?大歓迎だし…」
和「ちがッ…違う!」
私「え、?」
和「違うから…ほんまに、その…」
私「…うん?ゆっくりでいいから、、」
和「ッふぅ…その、恋愛として好き…です。」
さっきと同じ、真剣な眼差し。
けどさっきより耳が赤くて…
私「…ちゅーとかするんだよ、、?」
和「ッ…分かってる」
私「わ…分かってるんだ、大橋くんってそう言うの考えないのかと…」
和「か、考えるよ!?普通にその辺の男と一緒やわ、!」
私「そ…そうだよね、」
和「返事はッその…また今度で、!」
私「まって!今するから、!」
足の傷もしっかり手当してもらい、カットバンだらけになってしまった足を見る。
私「私…大橋くんの事まだよく知らない。」
和「ッ…そうよな、」
私「でも!!…毎朝私のところに何か言いに来てた大橋くんが突然来なくなったら…気になっちゃうと思う。」
和「!!」
私「凄い…あの時みたいに心配になると思うし、、突然居なくなっちゃったらツラいと思う。」
和「え…っと、」
私「だから…これから?その…仲深めて行く…見たいな?」
和「ッ!お、お友達…から!」
私「そ、そう!お友達からッその…是非」
和「お、うおおおおお!!」
私「声おっきいよ!!」
和「ハッご、ごめ、」
私「これからよろしくお願いします!か…和也くん!」
和「ッ…はい、!」
手を重ねて、少しの間沈黙で見つめ合う。
これは時間の問題だなぁ…直ぐにちゃんと好きになっちゃいそう。
和「いつか、ちゃんと好きになって貰えるように頑張るから…ちゃんと俺の事見てや?」
私「…すぐかもね」
和「えッ!?」
私「ふふ、手当てありがとう!放課後に連絡先聞きに行くから待っててー!」
和「え!?ほ、ほんま!?俺が行くからそっちが待ってて!絶対やでー!」
気持ちを伝えた事で軽くなったのか、ちゃんと喋るようになった大橋くんはとてもフレンドリー。
やっぱり癒しで、とてもふわふわしてる。
だけどしっかりしている面もあって、だからこそお友達が多いんだなと再度感心した。
そして、自分の大橋くんへの気持ちにも気付きつつある。
その後の私達の関係は、皆さんのご想像にお任せ…。
だけど、皆さんの想像通りの関係になっていると思います。
《伝える》