結構歩いたのでさすがに私は疲れてきた。
「クク、ねえクク!一体どこまで歩くつもり?」
『あ?私たちの行くべき場所に決まってんだろ。』
「、、、そこ、どこ?」
『さあな。行ってみたら分かるさ。それともその前に、お前の辞書ってやつで調べてみたらどうだよ。』
「うーん、、、じゃあ候補挙げてくから、正解だったら教えてね?」
『おうよ。』
私たちは歩きながらくだらない問題を解く。
「うーん、金の星?」
『ちゃう。』
「なんだろ、、、あ!星の王??」
『まあ惜しいところはあるかな?』
「え、、、じ、じゃあ、ドーナツ?の星?」
『は?遠ざかったぞ!!全く何を見てるんだリリス?!』
「あーもう分かんないよ!!どこに行くの?焦らさないで教えてよクク!!」
ククはすんなり答えてくれた。
『悪魔の星だよ。』
「え!ち、ちょっと!!そんなとこ行きたくないよ!!」
『なんだよ。お前の好きな物はそこに全て揃ってるのに。青い空や恐竜、まあ骨になったりしてるがな。それと虹か?全部そこに詰まってんだ。』
ククは楽しそうに話しているが、私にはククの顔は見えない。赤い空に照らされて、ククの背中がより暗く見える。
「本当?じゃあ行ってみたいかも!」
『リリス、お前はホントに呑気だな。じゃあそんなにいい所だっていうのに、そこにはなぜ悪魔の星なんて名前がつけられるんだ?』
「、、、そこに住んでる人が他の星の人を寄せ付けないように変な名前にした、、、とか?」
『わぁ、そりゃ今までにない考え方だったな。だがそんなにいい理由でもないさ。そこには悪魔が住んでる。』
「本物の?」
『マジモンの。』
「、、、、」
『なに、そんなに怖がることは無いと思う。悪魔を恐れるより、自分が悪魔になればいいのさ。』
「ククはなんでそんなことを思いつくの?」
思わず聞いてしまった。ククが恐ろしく見えたから。私が見たことの無い悪魔のように見えてしまったから。
ククは足を止めた。そしてゆっくりこちらを振り返って、
『、、、ああ、私が今この街で、1番頭がいいからかな?』
私は間違っていた。ククは全然楽しそうなんかじゃない。むしろ今まで見たことがないほど怖い顔をしている。
「え、、クク?」
『どうしたんだ?リリス。』
「何かかわった、、、?」
『いや、私は私だよ。退化も進化もない。ただのくくだよ。』
そこでククは初めて笑った。
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