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キャラ多くてすみませんm(._.)m
沈黙の15分(クオーター)2話です
警視庁の記者クラブには大募の記者が集まり、ジェームズ・L、森、水上、シグマが正面の席に並んで座っていた。デスクの上にはたくさんのマイクやICレコーダーが置かれ、部屋の後ろにはテレビカメラも入っていた。緊迫した空気が流れる中、森が地下鉄東都線爆破事件の詳細を説明しはじめた。
「…..使用されたのはプラスチック爆弾。リモコンの遠隔操作でタイマーが作動する仕掛けになっていました」
開いて水上がマイクに顔を追づける。
「そのタイマーですが、犯人を目撃した江戸川乱歩君の話では、犯人は頭上を地下鉄が通過したのを確認してからリモコンのスイッチを押した模様。地下鉄は時速六〇キロ。犯人のいた待避所から爆弾までは二百五十メートル。よって、タイマーは十五秒に設定されていたものと思われます。もし、運転手が急ブレーキをかけていなければ、爆発の直撃受け、大事になっていたことは間違いありません」
水上の説明に場内からどよめきが起こり、記者の一人が手を挙げた。
「森警部の携帯に、電車を止めるように言ってきたのは誰ですか!?」
「え!? それは・・・・」
森が返答に困っていると、隣のジェームズが「ある警察の協力者、とだけお答えしておきます」と答えた。
「いずれにしろ、朝倉都知事はじめ車内に怪我人はなく・・・・」
森はジェームズの説明を聞きながら、フウ..と小さく息をついた。
事件のあと、江戸川から森に電話があったのだ。
『警部。いつものようにボクのことは依せて下さるようお願いします。仕事柄、むやみに敵は増やしたくありませんから』
江戸川の言葉を思い浮かべた森は口をとがらせた。
(仕事って、高校生だろうに…..)
「また、乱歩君のおかげで爆発の被害を受けた車が一台もなかったことは、まさに奇跡としか言いようがありません」
ジェームズの説明に、別の記者が手を挙げる。
「その江戸川乱歩君は、どうして爆弾に気づいたんでしょう?」
「それは、ここにおられるシグマ氏から、前もって爆弾による犯行の可能性を聞いていたからだそうです」
森が言うと、シグマが「え」と驚いた。
(オレ……そんなこと言ったかなあ)
「さすがシグマ名探偵!」
「シグマさん、犯人に対して一言お願いします」
記者たちから注目を浴びたシグマはゴホンと咳払いをした。
「えー、今回の件は、種田都知事の命と共に、二期目を迎えた彼の都政の目玉の一つである都営地下鉄線の破壊を狙った許しがたい犯罪です!」
「その犯人について、今わかっていることは?」
シグマが「え」ととまどっていると、隣の水上が代わりに答えた。
「残念ながら、トンネル内に説置された監視カメラに例の待避所は映っていません。また犯人は非常口からスロープを使って地上の幹線道路へ出たと思われますが、現時点で目撃者は見つかっていません」
その頃、芥川龍之介の家では乱歩、鏡花、樋口、立原、敦がケーキを食べながら、リビングのテレビで警視庁の記者会見を見ていた。
「乱歩君も、犯人の人相、年齢、男女の区別等はわからないと言っています」
テレビの中の森が言うと、鏡花はチラッと乱歩を見た。乱歩は悔しそうな顔をしながらテレビを見ている。
「我々はは、朝倉氏の過去四年間の都政に対する一方的な不満や怒りが犯行の動機と判断し、その線で捜査を開始しています」
「以上です」
ジェームズたちが一部に立ち上がり、テレビカメラが切り替わった。
都視庁記者クラブから、生中継でお送りしました』
芥川がリモコンでテレビを消すと、
「なんだ、もう終わりかよ!」立原が不満そうに腕を組んだ。
「僕たち少年探偵団のことは何にも言いませんでしたね」
「つまんないです」
敦と樋口も口をとがらせ、立原はテーブルに置いたゲーム機を手に取った。
「よし、ゲームしようぜ、ゲーム!」
子どもたちはソファから立ち上がってリビングを駆け抜けていき、芥川は苦笑いしながらその姿を見送った。
「どうも人探しは難航しそうだな」
「……あの脅迫状だけど、犯行の動機を隠すカムフラージュの可能性もあるんじゃないかな」
コナンが言うと、芥川は「カムフラージュだと?」と眉をひそめた。
「なあ、芥川。種田都知事は、前に国土交通省の大臣だったんだよね。その大臣の任期中に、新潟県のある村をつぶして、ダムを作ったことがあるって••・・・・」
「ああ、覚えてる。確か・・・・・北ノ沢ダムだったな」
芥川がダムの名前を言うと、乱歩はうなずいた。
「そのとき、種田は自ら村に赴き、十分な補償金と快適な代替地を備した上で村に一週間滞在し、村民一人一人と対話を重ね、村民の信頼を得て村移転の承諾を得た。そして、親しい村の建設に三年、ダムの着工から竣工まで五年という異例の早さで事業を完遂させたって・・・・••」
「嗚呼・・・そうだったな」
「それでも、村民の中には最後まで反対した者もいたらしい・・・・・・」
乱歩の言葉に、芥川は「そうか!」と手を打った。
「そのダム建設に対する怒りが、犯人の真の動機だったとしたらー」
「犯人はその村の人間か、関係者ってことになるわね」
ソファに座って話を聞いていた鏡花が口をはさむと、乱歩が「あくまでも可能性の一つだけどな」と付け加えた。
「で、ちょうど来週の日曜、その代替地の村で開村5周年式典があって、都知事も一泊の予定で出席することがわかったんだ。もっとも、今間の事件でキャンセルになったけど・・・•・」
「わかったぞ。君はその村へ行って、調べてみたいんだな」「ああ・・・・・・芥川、連れてってくれねえか?」
乱歩が言うとーー突然、敦が芥川の後ろからヒョイと顔を出した。
「どこへ行くんですか?」
芥川が「うおっ!」と飛びのくと、樋口と立原も現れた。
「私たちも連れてってください!」
「乱歩ばっかりズルいぞ!」
「お前たち・・・・・・ゲームしてたんじゃないのか」
乱歩があきれた顔をする。
「龍之介が行くなら、私も行くわ」
「鏡花・・・・・」
「ちょっと目を職すと、すぐ食べ過ぎになっちゃうから」
「あ、いや、ハハハ・・・・・・」
鏡花の言葉に、芥川は頭をかいた。
(……もう十分食べ過ぎだけどな)
乱歩は芥川の腹を見て、心の中で突っ込んだ。
おかえりなさい
キリが良きなので切ります
長くなりそうです
許してください