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~少しずつ歪む、未来へと~
蓮side
やたら寝た気がする。というか、昨日の夢は妙に鮮明に覚えていて。少し気持ちが悪いな。
『っこらしょ』
あんまり体重くねぇなぁ。休みだしスマホ見とくか。
【蓮くん、起きた?】
誰だっけ。あっ、KO…!夢じゃなかったのか?
【起きたけど、これ、夢じゃねーのか?】
夢じゃなかったら、あそこはどこなんだよ。
【おはよう。変なこと言うね?夢じゃないよ。】
夢じゃ…ないのか。
【その証拠が今喋ってる私でしょ?】
『…っは。確かに』
【おはよう。そうだな、確かにその通りだわ。】
『蓮!起きてるんだったら掃除しなさい!』
うげっ母さん…。ってか
『…今日は華の当番ですよ。母さん』
いや、当番表見てくれよ…
『はぁ?華はあんたと違って忙しいの。お稽古いっぱいしてるの、分かってあげれないの?』
当番は当番だろ。ったく。スマホに目を移すと通知があった。
【今日もお互い頑張りすぎないように頑張ろうね。】
その言葉に固まってしまった。…世間にはこんなに優しい人がいるのか、
『でも、当番は当番なので。』
母さんも変わってしまったなぁ。俺にも幸せの一つや二つ。分けてくれよ。華
『あんたっ…!弟が頑張ってるのが分からないの!?』
あーうるっせぇ
『俺も頑張ればあいつ以上に出来るけど?』
これは大真面目な話だ。見栄を張ったわけじゃない。
『何言ってんのよ!』
ばちん、と鈍い音が部屋に響いた。
『…』
『たっだいまー。あれ、お兄様?どうかされましたか?』
お前のせいだわ。
『いえ、何もないです。』
口が切れているのに気がついた華は近付いてきた。
『おい、兄だからってなんにもやらねぇ気か?くそ使えねぇな?あ?母さんの言うこと聞いとけよぉ?』
…ぼそっと言うなら大声で言えよ…意気地無しが。
『…っ!お兄様?大丈夫ですか?口が切れております…っ!』
白々しい。こういうところだ。母さんは態度を変えて言い出した。
『そうだ、今日はお外に行くわよ。』
青澄side
あれは、いったい…?
昨日みた、幻覚のような物をノートにまとめ、調べたけど何もわかりません…。
無事に昨日は帰れてよかったです。けれど、今日も行くのでしょうか。
『お姉ちゃん、お母さんが…』
あぁ、明利。…
『ありがとう。行くわ。』
今日は風が強くて日差しがきつい…。…出来るだけ日光に当たらないようにしないと…。
『はい、お母さん。来ました。』
『あら、おはよう。良いところに来たわね、こちら神道家よ。』
『こんにちはぁ~。えっと青澄ちゃんでいいのね?』
…仕方ない。説明はめんどくさいからいいでしょう。
『はい、そうです。そちらはご有名な蓮様と華様ですね。』
恐らく、そうだと思ったから答えたのですが兄、蓮様の方が反応しました。有名、がよくなかったのでしょうか。
『まぁ!とっても博識ですのね!満月家は!』
…面倒くさそうな方ですね。華様が前にいるということは当主になるのは華様でしょうか。
『とんでもない。神道家は素晴らしいと聞いております。特に、蓮様は皆様にお優しいと聞きました。噂通り、優しそうですね…!』
蓮様は私をにらめ付けるような目で見てきました。あたしが嫌いですかね。と考えていると神道家、母が答えた。
『お兄ちゃんは全然何もしてくれないのですよ…いっつも困ってて…』
…そういう事ですか、我が家の逆バージョンとやらですね。なら睨まれてもしかたありません。
『そうなのですね…そうだ、蓮様。私達年も近いですし、お話したりしませんか?よければ私の部屋においでください!』
神道家母は決まり悪そうな顔をしていました。貴方には用は無いのに。
『…俺でよければ…お話したいです…。』
ぎゅっと目をつぶって言った蓮様はかわいらしかったのは、言うまでもありませんね。
母方が話している間に私は蓮様を自室に連れて行きました。蓮様は少し、照れくさそうでした。まぁ、蓮様には言っても良いでしょうか。ついた頃に蓮様は赤く染めた顔を上げて言いました。
『…男……ですよね』
…バレていましたか。鋭い方です。
『はい、私は男です。確認しますか?』
蓮様は顔をぶんぶん横に振っていた。そんなに…。
『でしたら何故、顔を赤らめているのですか?』
少し、意地悪な質問だっただろうか。神道家とは言っても思春期なのだ。もっと顔を赤くしたことは言わなくても分かる。
『………』
しまった。会話が…
『…俺……男が好きなん……です。』
こちらには届くが小さい声で言われました。流石にあたしも我慢できなくて顔が赤くなりました。
『つまり、私…いや、僕に一目惚れ、と?』
僕と言うのも制限されていたので慣れないものです。
『……はい…』
…まさか。
『でも、男同士ではお子は孕めませんよ…?』
神道家と満月家は神の遣いと神の一族なのでどちらも子を残さなければならない立場です。
『…す』
『はい?』
『蓮…って呼んでください………あと、敬語は控えましょう……?』
…あぁ、否定しないと言うことは。
『わかった、蓮。僕も青澄って呼んでよ。もちろん敬語は無しでね。』
蓮の顔がぱぁっと明るくなりました。…可愛い。そうだ。
『蓮は……その、お子が出来るお体なのですね。』
女ではないが、男でも孕めると聞いたことがあります。それに当てはめると合点が行きます。
『…うん。お母さんには、言わないで。』
……あの母方には言う気が湧きませんね。
『えぇ、蓮。もちろん。』
そういって手の甲にキスをすると蓮は更に赤くなった。そんなときに限って……
『蓮!帰るわよ!』
例の母方です。…はぁ、こんな時に限って…
『あっあの、帰る……ね。』
『蓮、困ったらいつでも来て。』
蓮は来たときはむすっとした子だったのに。可愛らしかったのですね。これが世間で俗に言う、つんでれ、でしょうか?
『じゃあね。』
『えぇ、またね。』
蓮は急いで母方のところへ行った。蓮と出会ったせいか、ノートがなくなっているのにも気がつかなかった。
【…KO、いる?】
【いるよ】
【恋愛したことある?】
【……ある】
【どんな感じだった?】
【…人には言いたくない恋。】
【あっそ?俺さ、初恋出来たかも。】
【よかったね。】
【もっと何かないの!?】
【ないけど……】
【つれねーなぁ】
【…相手は女の子?男の子?】
【お前が言わねぇなら言わねぇ】
【休日を満喫してそうでよかったね。】
【…お前のおかげだ。ありがとな。】