もう夕方頃か。
それにしても私はパーティーと1ヶ月いて何も知らなかったのかと少し後悔してる。今までは一期一会が基本でまた明日とか、またよろしくとか言われたことは無かったからなのかも知れないけど。
ガンツの家は鍛治職人の家としてじゃなく職人の家として知られているところで冒険者たちは1度は訪れる様な名の知れた場所だった。
「工房、。いや武器屋なのかなこれ」
見るからに鍛冶屋である。なのに武器防具が別の部屋に置いてあり武器防具店なのかと混乱しながら店を訪れる
「お邪魔します。」
そういうと奥から声がして
「お邪魔しますんなら帰れ!!用も無いないんならとっとと失せるんだな!!」
誰かいるのは分かるけど暗くて良く見えない。それにしてもなんて所なんだろう。でも用があるしとりあえず報告くらいはしておかないと。武器防具はベルグさんの所だけど
「「白銀の剣」のガンツさんの家はここであってますか?」
日が落ちかけてるのもあるのか店全体が暗い。
すると奥から少し小さめな。だけど年齢は年寄り?なおじさんが出てきた。ドワーフなのかな?
「ガンツがどうしたって?」
2回目3回目ともなるとこう言う事にも慣れて来る自分がいる。
「ガンツさん達白銀の剣は全滅したのでその報告に。私はその時一緒にいた荷物持ちです。」
するとおじさんは少し驚いて、でもすぐに冷静になってから
「あ?じゃあおめぇノストか?荷物持ちの」
今度はこっちが驚いた。名前を当てられた。
「どうして知ってるんですか?合ってますけど」
「普段無口なアイツがお前の事だけは話してたからな。よく知ってる。お陰で耳にタンコブでも出来そうだったぞ?」
あはは、。
口に出さなかったが顔に出ちゃっていたに違いない。
「俺はガンツ・ブロウリーという。依頼がたった今入って来ててな。よろしくと言いたいが忙しくなるからここにはあまり来ないでくれると助かる。」
それは気分を落ち着けたいからなんだろう
「分かった。」
それだけ言って私はガンツさんの店から出て行きギルドに報告することにした。
しばらくして
「アイツの専用武器防具作成ねぇ、。アイゼルのヤロウも無茶を言いやがる。しかも素材は壊れる武器防具がメインとか正気じゃねぇ。作るにはアイツと向き合う必要があるってか?骨が折れるな。」
ブロウリーはしばらく目を瞑って
「作るには壊れて死んだ武器防具に再び魂込める所からだな……」
武器防具に魂を込める。それはまだ輪廻転生を果たしてない可能性がある人(魂)を武器や防具に封じ普通の武器防具とは威力などを底上げさせる作業なのだが、普通の鍛治職人にはそれが出来ない。魂を肌で感じ、目で見ることのできる人で無ければならないからだ。
詰まるところ魂を込めた武器防具というのは「死んだ他人の魂を封じて作った物」と言い換えられてしまういわく付きとして有名なのだ
しかし込めた魂が壊れない限り壊れもしない。そんないわく付き故に強いと評価されてからか冒険者たちはそれを求める人が多くなった。
「お前達はどうなりたいんだ?鍛え治してやる」
すると
ノストの為の武器になりたい
そう聞いたブロウリーは分かったと頷いて店を閉じてノストの所に訪ねる事にするのだった。
「アイツの事もっと知らねぇと作れねぇじゃねぇかまったく。」
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