テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
※短くはないと思います
記念すべき三十話!!!…なのか?
今回むちゃくちゃ短いよ~
りゆうじょうに…
あ!なんでもありません
公園の空気が、重いまま止まっている。
「いる」
即答。
いるまの声は、揺れなかった。
ゆうの目がわずかに見開かれる。
数年前。
誰も即答してくれなかった。
ゆうは目を逸らす。
笑おうとする。
でもうまくいかない。
「……甘いな」
小さく吐き捨てる。
「そんな綺麗ごとでどうにかなるなら、俺はこんな顔してない」
一歩、後ろに下がる。
なつが動きかける。
でも止まる。
今、間に入る資格があるのか迷っている。
ゆうは踵を返す。
「今日は帰る」
背中越しに言う。
「でも終わってないから」
振り向かない。
でも声だけが残る。
「なつ」
低く。
「今度は、お前から来いよ」
去っていく足音。
公園が静かになる。
いるまの足から力が抜ける。
怖かった。
でも逃げなかった。
なつが、ゆっくり言う。
「……なんで来た」
怒っていない。
震えている。
「放っといたら、また明日にするだろ」
いるまの言葉に、なつが黙る。
図星。
数年前と同じ。
“明日でいい”が、一番怖い。
風が吹く。
なつは空を見上げる。
「俺が行く」
小さく言う。
「選ばれなかった側を、選びに行く」
今度は逃げない。
いるまが、少し笑う。
「なら、ちゃんと選べよ」
守るとか、償いとかじゃなくて。
人として。
なつはうなずく。
遠く。
街の向こう。
ゆうは立ち止まっていた。
振り向かない。
でも歩き出せない。
選ばれなかった側は、
まだ期待してしまっている。
物語は、
“壊す”から“選び直す”へ向かい始めた。