私はすでに死んでいます。今ここに存在しているものは全て、ただの幻影なのです。
これが死というものならば、私はまだ生きていると言えるかもしれません。あるいは私が生き返ったというのも嘘だったのかもしれない。それを確かめる方法はひとつだけ残されてきました。私の肉体を探し出して、もう一度死ぬことです。もしそうすれば、私は本当に死んだことになるのです。
私はかつて、自分の肉体を捨てたことを思い出しました。その瞬間、私の体は消えてなくなりました。きっと今の私がそうなっているのだと思います。今や私は、肉体ではなく、表象によってしか存在できないのです。
しかしそれは、肉体ではないだけです。私はここにいます。表象として存在するだけなのですが、それでもまだ存在していると感じることができています。
私がこの世界をどう感じていたかも思い出しました。そうだったはずなのに、今はもうわかりません。何もかも忘れてしまったからです。
これが死というものなのかもしれません。でも、これで良かったとも思っています。だって私はもう苦しむ必要がなくなったんですからね。
私は死にたくなかったけど、死ぬしかなかった。それがわかっていたからです。
だから私は死んでよかったんだ。そう思うことにします。
ただ一つ気になることと言えば、あの子がどこに行ったのかということです。
あの子は私と違って、ちゃんと生まれてくることができればいいんだけど……。
あの子? ああ、あの子のことを言っているんでしょうかね。あそこにいる子供です。
いえ、知りませんよ。
少なくとも私は見たことがありません。
そもそも私は子供なんて見慣れているんですよ。
ええ、その通りです。私がここにいることは、誰にも知られてはいけないことでしょうね。
ああ、いえ……私はまだ死んでいないと思います。
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