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#ワンナイトラブ
コメント
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うわっ、この「覚えてないですよね」の含みが気になりすぎますね。悠真さんが何か過去に千夏ちゃんと関わったことがあるけど本人は忘れてる──というのがタイトルの「向かいの家の女の子」とどう繋がるんだろう。平日の昼間に帰ってきた偶然が、日常の裏に隠れた縁を引き寄せたみたいで、続きがすごく気になります。設定の拾い方が丁寧だなあ。
『第一話 向かいの家の女の子』
──金曜日の午後三時。
佐藤悠真は、見慣れたアパートの階段を上りながら妙な気分になっていた。
社会人三年目。
突然のシステム障害対応で二日近く会社に缶詰になり、ようやく解放されたのだ。
まだ太陽が高い。
平日のこの時間に帰宅することなど滅多にない。
「ピスカ、怒ってるだろうな……」
独り言を漏らしながらポケットから鍵を取り出す。
その時だった。
向かいの一軒家の玄関前に、人影が見えた。
女子高生だった。
制服姿のまま、玄関脇のコンクリートに腰を下ろしている。
膝を抱え、どこか所在なさげに道路を眺めていた。
悠真と目が合う。
少女は小さく肩を震わせた。
そして慌てて立ち上がる。
「あ……」
何か言いたそうな顔。
だが結局、ぺこりと頭だけ下げた。
近所の子だろうか。
見たことがあるような気もする。
ただ、自分は朝早く出て夜遅く帰る生活だ。
近所の住人の顔などほとんど知らない。
悠真は少し迷った末、声をかけた。
「どうかした?」
少女は一瞬目を丸くした。
それから観念したように苦笑する。
「……鍵、学校に忘れちゃって」
「それは大変だ」
「母が帰るの、夜なんです」
悠真は玄関を見やった。
確かに家の中に人の気配はない。
少女は少し恥ずかしそうに続けた。
「私、亜土 千夏っていいます」
そして少し間を置いて、
「向かいの佐藤さん……ですよね?」
と言った。
悠真は思わず首を傾げた。
「え? なんで俺の名前を?」
すると千夏はさらに困った顔になった。
「あー……やっぱり覚えてないですよね」
「何を?」
「その話すると長くなるので」
そう言って笑う。
その笑顔は年相応なのに、どこか無理をしているようにも見えた。
──続く