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#地雷系
金欠チャン
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ゆずき
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モノクロナツキ
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「クリスマスのお返し。クリスマスプレゼント、ミィちゃんからもらったのにお返ししていなかっただろ。」
「大きすぎて邪魔になりそうなんだけど……。」
それはそう……俺も少し邪魔だったし持ち歩くとき大変だった……。ミィは袋の中身を取り出すと、少し驚いた表情を浮かべた。
「これ……。」
中身は大きな猫のぬいぐるみ――ミィと一緒に吉祥寺のゲームセンターに行ったときに、ミィが眺めていたプライズゲームの景品だ。ミィの顔が少しほころぶ。
俺はプライズゲームが得意ではなく、何度も失敗をして店員さんに場所の調整やアドバイスもしてもらい……取れた時には店員さんとハイタッチまでしてしまった。それなりの投資だったが、ミィのこの表情は何物にも代えがたい。
「あのな、俺はミィが完璧じゃないから新作のヒロインにしたいと感じたんだ。だから……上手く言えないけれど……辛いときは『辛い』って言って欲しいし、悲しいときは『悲しい』って言ってくれ。もし、俺に彼女ができたとしても、それは変わらないんだ。それに、俺はアイさんとは何の関係もない。だから、まあ……たまには遊びに来てくれよ……。”たまに”だからな。」
俺はミィの肩を叩いて自室へと戻り執筆を再開した。しばらくすると、俺の部屋をコンコンと叩く音がした。店員さんかと思い扉を開けると、ミィが靴を脱いで素早く俺の部屋に上がってきた。
ここのネカフェではかつてパパ活が横行しており、別々に受付を行った人同士が、他の部屋に移動することは厳しく制限されている。男女間となると特に厳しい。
「お前……俺の部屋に入るのはまずいだろ。禁止行為だぞ。話ならラウンジで聞くから。」
「いや、ここじゃないとダメなの。他の人に聞かれたくないから。」
ミィは部屋の鍵をかけたかと思うと、今にも泣きだしそうな表情を浮かべながら俺の胸倉をつかみ押し倒す。ミィは「フーフー」と息を荒げ、涙をこらえながら馬乗りになり俺に抱きついた。大きな胸が俺の胸板でつぶれぐにゃりと形を変える。絹のようなさらさらとした髪が俺の首筋を撫でて、まるで「離したら殺す。」と主張しているかのようだった。
ミィは涙をこらえ鼻をすすり上げながら、俺の耳元で囁く。
「私、一人に慣れないと……一人で生きられるようにならないと……って思って……。だから……、ユウト君からも……アイさんからも離れないといけないと思っていたの……。だから……。」
ミィは嗚咽交じりに話を続ける。
「アイさんとユウト君が付き合うのなら……良いきっかけだって……そう思って……。私、2人に甘えちゃうから……。だから……。」
世の中には2種類の人間がいる。一人でも大丈夫な人間と一人だと駄目になる人間。
俺は別に一人でも気にしないタイプだ。むしろ、誰かといることが煩わしく感じる時すらある。しかし、ミィは違う。誰かと一緒にいなければ寂しさに押しつぶされてしまうのだろう……。そして、きっと自分の居場所を探し求めているのだ……。
俺はミィの頭に手を当てて強く抱きしめた。ミィは小さな悲鳴を上げたかと思うと徐々に嗚咽が静まっていく。完全に嗚咽が静まるまで抱きしめ続けた。
しばらくして、俺はミィを引き離して身体を起こし肩に手を置く。ミィは俺の腰に足を回したまま、目の周りを真っ赤にしている。瞳は潤み、下ろした髪の毛もボサボサで普段のミィとはまるで別人のようだ。
「別に、甘えても良いんだぞ。」
ドイツのとある小説家が「人生とは孤独であることだ。」と言った。それは真実なのだろう。人は自分のことすらわからない。それが他人であればなおさらだ。例えば俺が、この先死ぬまでミィと共に過ごしたとしてもミィのことを完全に理解などできないだろう。
しかし……だからこそ……人は人に理解を乞うのだ。
「むしろミィちゃんは多少わがままを言って、笑っている方が安心するよ。それに『最後まで面倒を見てやる』って約束をしたしね。」
ミィちゃんは目を潤ませて俯き、袖で目を覆った。
◆◆◆◆
<ミィ side>
新宿区歌舞伎町大久保公園前――いわゆる量産系・地雷系の子から、バンギャ風、清楚系、ギャル、……様々な女の子たちが一定間隔で並び、ガードレールに寄りかかりスマホをいじっている。いわば現代の遊廓のようで、ここにいる女の子たちは自分の姿をよく見せて、男に「買って」もらおうとしている人ばかりなのだ。そんな異様な光景に私も並び、彼女たちに交じってスマホをいじる。
この街に来てから今日で5日目……ここには一日置きに並んでいるから今日で3回目だ。過去の2回はここに並んでからすぐに買い手が見つかった。私の値段は、ホテル別料金で3万円――ホテルは必ず宿泊にしてもらっている。
母親とその愛人たちとの関係に耐え切れなくなり、私は家を飛び出した。しかし、生きるためにはお金を稼ぐ必要がある。
私は生活できるほどの金を稼ぐ方法を身に着けていなかった。そもそも未成年が自分で生活費を捻出できるほど、稼げる仕事はほとんどない。だから身体を弄られるのが嫌で家を飛び出したにも関わらず、身体を売るしか生きる方法がないのだ……。なんて皮肉なことなのだろう……。
過去2回、私を買った男のことは覚えていない……。そこそこイケメンだった気もするし、汚いおじさんだった気もする……。相手が誰であれ、金をもらえれば何でも良かった。自分一人で生きることができる金さえ手に入れられれば……。
そんなことを考えていると、お客さんに声をかけられる……が、それは今までのお客さんとは決定的に違った。今日、私に声をかけた人は女性だったのだ。
コメント
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うわぁ…第34話、めっちゃ重たくて切なくて胸がギュッてなったよ😢💔 ユウトくんがミィちゃんにぬいぐるみ渡して「甘えていいんだぞ」って言うシーン、そこまではほっこりしたのに…まさかミィちゃんの過去がああいう形で明かされるなんて思わなかったよ…。 「一人に慣れなきゃ」って無理に強がってたのに、現実は身体売るしかなくて…でも最後に声かけてきたのが女性っていうのが気になりすぎる!!続きが気になって夜しか眠れないレベルなんだけど😭💦 尾津さんの描く人間の弱さと強さのバランス、毎回グッとくるわ…次話も楽しみにしてるね🌸