テラーノベル
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この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
吐夢→「」
玖村→『』
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玖村side
何も見えない、手も足も動かない。何故だ?確か帰りたくないって言ったら家に呼んでくれて、その後…さっきまで、俺は彼とお酒を飲んでて…
「…意識、戻りましたか」
『…ぇ、吐夢さん、?』
「僕と貴方は運命で繋がっているんです」
『はぁ、?』
音的には運命じゃなくて鎖で繋がれてますけども。なんだこれ、目隠しもされてる?何から何までわかんねえやつだな。なんかさっきから暑いし…エアコンつけてないの?この人どうせさっきと同じ真っ黒な格好なんでしょ、なんで耐えれてんだよ
『…っ、…ぁの、なんかここ、暑くないですか、?』
「…そうですか?もう日は暮れているし、冷房もつけていますけど」
『え、俺だけ、?なんで…』
首筋を汗が伝う感覚がした。それが暑さからなのか、この状況もとい彼への恐怖からなのかはわからない。でもとにかく暑い、身体が芯から燃えているような錯覚に陥ってしまう程に。
「…熱でも、計りますか?」
『…いや、そういうんじゃなく、て』
頭がぼうっとしてきて、深く考えられなくなってくる。熱と言えば熱だけど、調子が悪いとかそんなんじゃない。考えたくなかった一つの可能性へと辿り着く、俺の身体は今、
「…ここ、硬くなってますよ」
『っ、?!いや、それは違くて…』
「何が違うんですか?」
ズボン越しに彼の人差し指が自身の先端をトントン、と軽く叩いたような感覚がした。次いで首元に彼の唇が寄せられる
「…こういうの、期待してたんじゃないんですか?」
『そんな事…っ、ぁ♡』
我慢していた筈の甘い声が勝手に漏れだし、目隠しが外されると彼の笑顔が目に入る。状況に似合わない、小さい可憐な花が咲いたような可愛らしい笑顔だった。だから、出会って初めて見た彼の笑顔から目が離せなかった
「…貴方が、帰りたくないと言ったから。僕は貴方を帰さない道を選んだんです」
『…いくらなんでもやり方ってもんが、…んっ、』
「でも、お願いしてきたのは玖村さんですよ」
『…え、?何を、』
「抱いて、って」
『…は?』
おいおい嘘だろ、俺そんな趣味無いって。ましてや俺みたいなやつのそんなお願い聞くのも中々狂ってる。いや、狂ってるのはお互い最初からわかってたことか、笑
「…もう帰してあげるつもりも、離してあげるつもりも無いので」
『え、一生、?』
返事らしい返事は1つもなかったけれど、返答代わりにされた口付けはとても甘くて優しかった
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『…っ、??、ぁ、♡やだ、ぁ…♡もぉ、やぇてしぬ…ぅ、♡』
「…こんなことで死なないですよ」
可愛い顔に見合わない質量に脳が混乱する。こんなに、ぐずぐずに溶かされてしまうなんて思ってもいなかった。男に抱かれるなんて初めてなのに、怖かった筈なのに、今は快感以外は何も拾えない
『…は、ぁ、♡と、むさん、っん♡』
「…っ、なんですか?」
『とむ、さんも、ちゃんと俺で、善くなれ、て、?!??っ~~♡』
「…は、かわいい、♡そんな心配、してくれてたんですか?」
『だって、俺ばっか、、気持ち良く…て、♡』
そんなことないよ、と言わんばかりにキスの雨が降ってくる。口下手だからなのか、元々行動で伝えるタイプなのかはわからないけれどそれが嬉しかった。俺を必要としてくれているような気がしたから、そこに愛があるかどうかなんてどうでも良かった。彼とならずっとこのままでもいいかな、なんて
「…玖村さん、」
『ぅ…ん、?』
「俺から離れないって、約束してくれませんか」
『ぇ…』
やっぱり、関係構築するの下手くそだなこの人。頷いたらダメだよね、わかってる。コイツはまともじゃないってのも、わかってる
「ずぅっと俺だけのものに、なってほしいんです」
…ダメだなぁ。愛されたい、って思うと期待しちゃう。期待しなくても落ちることなんて、わかっていることなのに。でも、クズ同士ちょうど良いんじゃないかとか、そんなことを考えている自分もいて
『…うん、』
机の上の空になった瓶が目に入った
コメント
6件
んー、現実のあべさくも、映画ドラマのあべさくも最高ってどういうこと❓わら マジで最高ですね、 特に運命ってよりは鎖で繋がれてますけど、のとこが、(ソコカヨ) 続き楽しみです‼️