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短い話
オリエピ注意
「悪いけどしばらく下の方で仕事があるから」
そう言ってはいつもしばらくすると何食わぬ顔で帰って来てはいつものように私たちをリードしてくれる
そんなある日、怜とアズは用事があって外に行っているのか部屋には自分と黒美だけになった
いつもだったら絶対に聞かないようなことを少し気になっては聞いてみる
「そういえば、黒美さんってなかなか仕事の愚痴を言いませんよね」
何か理由があるんですか?そう言っては目の前にある山積みの資料にさっと目を通しては判子を押すという単純な作業を紅茶を飲みながら繰り返す
「出会った時から治らないね、その2人きりになるとさん付けする癖」
にこにこと穏やかに笑って話をずらしては誤魔化す黒美に目の前の資料から目を離しては黒美に身体を向ける
「そう話をずらさないでくださいよ、何か理由があるんですか?」
う~ん、と少し頭を抱えては「だってダサいじゃん?」とはにかみながら笑ってそう言う
なんだそんな事かと思っては「だったら聞かせてくださいよ、あなたの愚痴」
少し休憩がてらに聞いて見ようとは思ったがやはりダサいから言わないの一点張りだ
そんなある日、また黒美は「下で仕事があるから」と言ってワープゲートを作っては行ってしまった
その間の黒美の分の家事は自分に回ってくる
淡々とその作業をこなしては空いた時間で資料の整理をする
黒美はいつも下で仕事があると言っているがいつも何をしているんだろうか
黒美side
「さ、いつも通り特訓と選別だね…」
そう言っては大量の資料と睨めっこをし、色んな人間や他人類が地獄へと行くか、それとも極楽の天国へと行くかを選別する
そのほとんどが人間によって殺められた他人類だ
だがその他人類の中でも人類を一人でも殺めていたら地獄行きだ
これがこちらでの仕事であり決まりだ
深く溜息をついては何時間か経つと軽く伸びをしては席を立つ
武器庫から弓や、ナイフ、色々な武器を取り出す
少しばかりの休息という名の特訓だ
自分なりの戦い方を見つけては記録をする
その繰り返しをしているうちに少し休憩を入れようとしていると自身の真後ろで物凄い音が鳴り響く
何事かと思い、すぐにその現場へと走っていく
「何があったの…?!」
そう言ってはその現場にいた自身の一番信頼している部下の数名にへと声をかける
そうするとその中の一人がゆっくりと口を開く
「あれ…なんなんですか?」
恐る恐る彼らが指さす方向を見る
そこには見たことがない怪物に近く周りの者を敵味方関係なく無差別に殺していく何かがいた
「は…何あれ…」
見たこともない怪物にどうせ世界政府からの汚い贈り物だろうとでも思い込んでは何とか今生きている部下たちだけでも守ろうと先手攻撃を仕掛ける
「お願いだから皆下がって…!」
そう自分なりに叫んでは何度も既に死んで行った部下達の分までと攻撃を仕掛ける
だが何度も攻撃を仕掛けても相手は傷一つつかない
どちらかと言うとこちらが押されている
こちらは飛んでいるのにそれをもろともせずにまるで蚊でも叩くかのように地面叩き落とされる
「黒美さん…!」
心配する声を上げる部下が目に入る
「大丈夫だから!、皆は早く逃げて!」
この自分の声が無理をしているように聞こえたのだろう
皆が一斉にまるで自分を守るかのように武器を持って走り出したのだ
敵うわけがない相手に負けると分かっていても走り抜けてやられて行く部下の姿を見ている事しか出来なかった
「違う…そうじゃないの…」
まるで蚊が鳴く声のように小さくそう言っては残り数少ない部下達が突進して行くのをなんとか抑える
周りに転がっている亡骸を踏まないように走り抜ける
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一つ一つの亡骸を大事に抱え、土に埋める
「ごめんね、守れなかった」
残り数少ない部下と少しやり取りをしては現世へとテレポートゲートを開きゆっくりと一歩、そのゲートの中へと足を踏み出した
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いつもだったらすぐに皆がいる家に帰るが今日だけは少しだけ寄り道をしようといつも良くしてもらっているBARの扉を開ける
そこではにこにこと穏やかに笑いながら客の 対応をしているいつものマスターがいた
「いつものにいたします?」
こちらの存在に気づいたのかそう丁寧な口調で話しかけてくる
いつものというのはウィスキーグラスに適量入ったウィスキーというのでそれを1、2杯嗜んでは帰るのが自分自身のちょっとした趣味だった
だが今日だけは違う
カウンター席の端に座り 少し乱暴な口調でマスターに声をかける
「悪いけどボトル事貰える?」
驚いているマスターに急かすような目で見てはウィスキーボトルが一本置かれる
それをスキットルに十分に移してはその後にボトルに口を付けてはそれを物凄い勢いで呑む
一度口を離して、テーブルに置くとウィスキーは3分の2に減っており軽くため息をつく
度数の強い酒が入り、頭が回らない中でもなぜ下の世界にあんな者が来たのかと考える
そして死んでいった仲間達の顔が再度フラッシュバックする
忘れたら駄目なのに今だけは忘れていたい
そんな気持ちで再度ウィスキーボトルに口を付ける
そんな事をしているから後ろから新たな客が来る事にも気付かずにその客に肩を叩かれる
「は、紗知…?」
「中々帰ってこないから見に来たんですよ、やはりここでしたか…」
そう言っては隣の席に座り、ワインを一杯頼む
「そんなやけ酒して…明日に支障が出ますよ?」
気を使ってくれている紗知に申し訳ないと思いつつも「好きにさせて」と声を出す
ため息をつく紗知を横目で見てはウィスキーをテーブルに置く
そうするとその瞬間を待っていたかのように紗知が口を開いた
「聞かせてくださいよ、あなたの愚痴」
コメント
4件
いつやめるの
黒美ちゃんは上司の立場でもあるし、プライドもあるだろうし抱え込んでそうだよなぁ、、、 無理しないでこの機に紗知ちゃんに吐き出しちゃって欲し゛い゛