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美羽がランチを摂取した後、黙ってしまった。もしかしたら嫌われているかもしれない。すこしアプローチしすぎてしまったのか、それとも、照れているだけなのか。美羽は私の後ろにピッタリとくっついて離れない。まるで迷子になりたくない子供のようだ。同年代のはずだが、歳下のように感じてしまう。
私は何故、海に行こうと思ったのかは分からない。得体の知れないナニかに誘われたことは確かだ。この世界には美しいものが沢山ある。その中でも美羽は宝石のような輝きを秘めている。だから、近づきにくく遠ざけにくい存在だ。まるで月のような辺りを優しく照らし出す人物だ。私は特に満月が好きだ。海面に映し出されるぐにゃぐにゃに曲がった月ほど美しさを感じることは無い。私はやっと見つけた。追い求めていた満月を。今、後ろを振り向けば下を向いた容姿端麗な女の子を見ることができる。だが、私達の関係はただの友達ではなく”大切な友達”にレベルアップした気がする。感覚的ではなく、に論理的に私達の関係や美羽について確認し、正確に認識したいと思った。
海岸沿いに歩いていくと綺麗な水平線が見えた。太陽に照らされ、きらきらと神々しい輝きを放つ海面。その光は海面で止まっているかのように深海へは届かない。波打ち際の音が風の強さを彷彿とさせる。
「着いたぁー!」
そう、疲れたかのような声を出した美羽は空を見上げた。
「青い空!白い雲!」
それを言ったあと美羽は幸せそうな表情で
「大切な友達…!」
と、言った。柔らかく優しい笑顔が堪らなく愛おしい。美羽の力強い、今までに共に過ごして来た中で聞いたことない声だ。美羽は可愛らしい振る舞いを海に見せている。無意識でもしていいこととしてはならない行動がある。本能に抗え、常に平常心に向き合え。私の父親の言葉だ。美羽の気持ちなんてこの際どうでもいい。海の中に押し倒して溺死する寸前まで抱きしめたい。こんなこと言ってて引かれないのかな。
私は海を見てはしゃぐ美羽を見て邪念を少々抱いた。
「美羽さんっ!これ」
と、自分の足元にある貝殻を指さした。
「綺麗…だね。」
「美羽さん、こういう感じ好きですか?」
「……夕日がすき。」
私は少し固まってしまった。夕日が好きな癒し系女子。非常に尊い。美羽の落ち着いた雰囲気にピッタリだ。夕日、確かここには展望台があった気がする。
「じゃぁ、今から夕日見に行く?」
そう聞くと、
「うん…!行かせて下さい」
と、言われた。美羽は瞳を輝かせて物思いにふけっているようだった。
一旦、休止宣言。
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