💚「え??誰か…来た………ぅんっ…」
勉強もそこそこに、裸になるよう命じられ、ベッドに横たわって覆い被さる村上とキスをしている最中、カチャリと何の予告もなく部屋の扉が開き、誰かが入って来た。しかし、亮平の細い両腕は、村上によって頭上にまとめ上げられ、抵抗することができない。
慌てた目が忙しく左右を見回すが、村上はキスをやめなかった。深く差し入れた舌で、少しも焦るそぶりなく、亮平の口内を憎たらしいほどに時間をかけて味わっている。
羞恥と、甘く腰が疼くような快感との狭間にいて、現実から逃れるために必死で目を瞑った亮平の頭上から、揶揄うような、少し鼻にかかったような声が突如、降って来た。
🩷「その子?ラウールのお気に入りって」
村上はようやく唇を離し、糸が引く唾液を手の甲で拭うと、その質問には答えず、亮平を解放した。
🤍「早かったね、佐久間くん」
🩷「遅刻する癖はもう直ったんだって」
🤍「どうだか。怪しいなあ」
二人は一頻り目を合わせ、笑い合うと、揃って視線を亮平に集めた。
🤍「駅で見たってコイツのことでしょ?紹介するね。コイツは俺の友達の佐久間くん。佐久間くん、この子が俺の可愛い恋人の亮平くん」
🩷「おい、恥ずかしがってんじゃん。可哀想に。これでも着てなよ」
佐久間、と呼ばれたピンク髪の小柄で可愛らしい童顔の男は、自分が着ていた大きめのパーカーを亮平に投げて寄越した。亮平は慌ててそれを受け取り、前を隠す。
二人は、自分が裸でいることも、村上と自分がキスをしていたことも、まるで何事もなかったかのように振る舞っている。 そんな中亮平は頭が混乱して、何も言葉を継げずにいた。
🤍「亮平くんがあんまり可愛いからさ、もっと気持ちよくなってもらおうと思って。俺からのプレゼントを用意しました」
そう言って優しく髪を撫でつける村上は、またしても抗えない王者のような冷酷な瞳で亮平を見つめている。
まただ。
また、俺はおかしくなる…。
亮平はうっとりと、美しくも憂いを帯びた村上の眼差しに絡め取られ、大人しく無言で頷いていた。
心臓がどきどきする。
村上とキスをしていた時より、もっとずっと鼓動が速くなっているのが自分でも分かる。亮平は思わず唾を飲み込んだ。
🩷「にゃはは!痛いことはしないよ?むしろ、気持ちよくって、またしたいってなっちゃうかも」
佐久間はおどけて励ますようにふざけてみせる。人懐っこく親しみやすい笑顔が印象的な佐久間は、優しい口調で亮平に語り掛けた。
🩷「俺たち、いい兄弟になれると思うな〜」
🤍「バーカ。一緒にすんな。ほんとにマジで下品だな佐久間くんは」
🩷「きゃはは!」
佐久間の軽口を村上が渋い顔でたしなめた。
この二人は一体どういう関係なのだろうか。
亮平の小さな胸は、さっきからずっとズキズキと痛み、頭の中は混乱している。
俺はやはり、先生の『特別』じゃないんだろうか。
亮平の目に知らずと涙が溢れた。 ここで泣いては大好きな先生に迷惑をかけるだけだと思うのに、涙を自覚した途端、ますます止まらなくなった。泣き止もうとすればするほどしゃくり上げて、こんな自分はどこまでも子供なのだと思い知る。こんなに簡単に泣いてしまうなんて。
ほら、二人とも呆れて、掛ける言葉を失くしているじゃないか。
ところが、顔を覆った手指の隙間からおそるおそる二人を窺うと、彼らはもう亮平のことなど見ていなかった。
🩷「んっ……」
佐久間の煩い口を塞ごうとでも言わんばかりに、村上は佐久間の顎を持ち上げ、貪るようなキスを始め、佐久間は佐久間で、大人しく目を閉じて村上に身を任せている。二人は指を絡ませて、激しい水音を立てながら、そして、左右に顔をずらしながら、かぶりつくように愛し合った。 やがて村上の舌が佐久間の首筋を伝う段になると、佐久間は高い声で喘ぎ始めた。
🩷「あい……っ…かわらず、キスうめぇな……」
🤍「佐久間くんが感じやすいだけでしょ」
二人は亮平など関係なく、クスクスと笑っている。 少なからず傷つき、いたたまれなくなった亮平がベッドから立ち上がり、着替えを掴んで逃げ出すように出て行こうとすると、村上の長い腕が乱暴に亮平を捉えた。
🤍「お楽しみはこれから」
💚「……っ!!」
涙としゃくり上げる自分の声で、とんでもなくぐちゃぐちゃな感情を、村上の痛いほど力強い腕の力で堰き止められ、亮平は初めて村上に対して怒りの火種のようなものを抱いた。
💚「離して……っ!」
🤍「少しだけ。ね?亮平くん。いい子だから待っててよ」
村上は佐久間の元を離れ、懇願するように亮平の頬に流れる涙を拭った。
そして、亮平の脚元に跪き、亮平の裸の腰に腕を回すと、必死な顔で亮平を見上げている。
初めて見る村上の甘えるような、困惑したような表情に、ここを出て行こうとする亮平の決意があっさりと揺らいだ。亮平の目の奥が微かに震える。村上はダメ押しで、仲直りのキスしよう?と真剣な口調で言うと、亮平からのキスを求めてゆっくりと目を閉じた。
亮平は、聞き分けのない子供を甘やかすように、しかし、ほんの少しの反抗心を発揮して、村上の額にキスを落とした。
🤍「ふふ、意地悪だね、亮平くん。でも、ありがとう。愛してるよ」
村上はそう言うと、名残惜しそうに亮平から離れ、お預けを食らった形の佐久間をベッドへと寝かせた。
🤍「少しの間、待ってて」
佐久間は、自分で服を脱ぎ、村上を誘うように受け入れる。亮平には佐久間の鍛えられた白い肌が眩しかった。胸も腹筋も、程よく付いた筋肉がまるで透けて見えるようだ。無駄な肉ひとつなく、しかし痩せすぎない、彫刻のような理想的な身体だと亮平は思った。自分の、手足ばかり長くてヒョロヒョロとした身体が恥ずかしくなるほどに。
息つく間もなく、村上の舌が、手が、休みなく佐久間を愛撫していた。耳も、胸の飾りも、腰も、そして、身体の中心で、立派にそそり立つ男性器も、村上は遠慮なく舌を這わせ、口に含み、時にはいやらしい手つきで丁寧に撫で、扱きながら存分に愛していく。その度に紅潮した佐久間の口から幾度も熱い吐息が漏れた。
🩷「ラウッ……あっ……あん、…もう挿れて」
高まった快感に押し流されるようにして、蕩けた顔をした佐久間が後ろ向きになると、枕に顔を埋め、尻を高く持ち上げ、後孔を自分の指で開いて見せつけて来た。 亮平は驚き、思わず村上を仰ぎ見る。
🤍「さあ、おいで。初めての体験だ」
村上は振り返り、今度は、亮平の未熟な屹立を優しく扱くと、たっぷりのローションで解したその入り口へと、美しい悪魔のように微笑みながら、亮平を優しく導いて行った。
コメント
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めっちゃ好き。

どこからコメントしたら良いのか わかりませんが こういう展開大好きです(*´`) 壁になります。
コメント待ってま〜す!←不安だから🤣🤣🤣