バンッ
乱「夜月は!?」
国「夜月なら乱歩さんのお菓子を買いに行くと_
バタンッ
国「…?何があったんだ」
乱「お前は_
・
夜「此処まで辿り着けたじゃあないか」
彼女はそう云いながら薄く笑う
?「アンタさえ十代目当主で無ければッ…」
夜「云っておくけどね_
そう甘い声で囁かれる
夜「私はどの当主よりも優しいよ」
?「嘘だっ!!」
思わずそう云い返す
夜「えー?酷いなぁ」
また彼女はヘラヘラと笑う
まるで昔とは大違いだ。
昔は冷酷な十代目当主だった
他の感情が欠落したんじゃないかって思う程
夜「さて…そろそろお暇させてほしいんだけどな」
彼女は刀を回す
?「帰させると思うか?」
夜「私に不可能は無いよ」
次の瞬間_
私達姉妹の後ろに立っていた
夜「じゃあね。」
チャキンッ
刀が締まる
其処から視界は暗転した
・
刀を仕舞うと彼女達は倒れる
結局…この程度か
いつの時代もつまらないね
まぁ…でも。
夜「私に辿り着いたのは褒めてあげようか」
そう云いながら立ち去る
ダッ…
乱「夜月…」
夜「乱歩さん、どうしたんです?」
乱歩さんは有り得ない、という顔をして此方を見ていたが、暫くしてから此方を見た
乱「やっぱり‥お前か」
夜「乱歩さんならすぐ気づくと思いましたけどねぇ」
軽く笑う
乱「違うッ!!」
夜「…」
乱歩さんは何かを堪えて云う
乱「僕は…気づきたくなかった。夜月が津島家十代目当主だと云う事を」
夜「でも、いずれバレる事ですよ?」
乱「それでも_嫌だったんだ」
下を向いたまま俯く
夜「…乱歩さん。貴方は判っているでしょう」
乱「ッ…それは_
一気に雰囲気が暗くなる
夜「”私はもう、戻れない側の…人間だと云う事を”」
瞳が更に暗く_深くなる
其れはまるで海だった
何時まで経っても下に辿り着けない
彼女の深淵の気持ちなど_誰にも理解されないから
夜「…鏡花ちゃんや太宰とはまた違うんですよ。」
彼女はそう云う
僕はこの日初めて自分の異能力を恨んだよ
気づきたくなかった
夜月が此方側の人間では無い事を。
気づきたくなかったんだよ
夜「‥もう暗くなりますし。探偵社に帰りましょう?」
彼女はそう手を差し伸べる
嗚呼…この手は_
・
ガチャ
夜「ただいまー!」
敦「お帰りなさい!」
太「おかえりー!」
国「おかえり_‥乱歩さん?」
微動だにしない
乱「あっ‥ごめん。」
夜「乱歩さんの為にお菓子を沢山買ったんですからね!!」
そう云いながら給湯室へ行く
夜月がそう云うが乱歩さんの表情は何処か_心を放り投げたような
そんな表情だった
夜「今月のお金不味いかもなぁ…」
太「だったら一杯奢って下さいよー」
敦「太宰さん、鬼ですか…??」
…こいつらが要らん事をペラペラ喋るから判らなくなった
ガチャ…
扉が開く
其処に居たのはまだ小中学生ぐらいの子ども
?「すみません…依頼に」
敦「どうしたのかな?」
敦が対応する
まぁ、乱歩さんがそうそう悩む事など無いはずだから
乱「…僕は_
ガシャーンッ!
敦「ハッ…ハッ…」
敦くんの持っていたカップが割れる
其処に居たのは_
院「…お前は何時まで経っても役立たずの侭だな」
あのトラック事故で死んだ筈の_
太「…何故、敦くんの孤児院の院長先生が?」
院「お前等には関係無いだろう」
あの目…
敦「なんで‥貴方が此処に…」
敦くんはずっと震えている
あのトラック事故が起きてから、院長先生に対する事は変わったみたいだ。
あれは恐怖心じゃない_安堵だ。
あの時、敦くんは何度戻っていたら良かっただろうと思っていると思う
でも、今は喜べる事ではない
太「何で死んだ筈の人が_
”死んだ人が出てくる_”
真逆。
次の瞬間_
夜「何の用だい…津賀家の姉妹」
あの少女二人に刀を構えている
太「津_
皆「津賀家!?」
津島家分家の津賀家…!?
何で先輩はすぐに判って
?「あら…あんたこそ。津島家十代目当主」
その瞬間、空気が凍りついたように止まる
与「津島家…真逆‥アンタが」
夜「合ってますよ?」
そう先輩は笑う
嫌な予感しかしなかった
何故ポートマフィアの時、彼処まで調べられると判っていた
そんなの其れしか当てはまらない、筈なのに。
信じたくなかった。
夜「今更バレたって何も変わりませんし」
そう_笑みを貼り付けているような__。
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