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東京の小さな花屋「ひだまり」。静かに流れる音楽と花の香りが漂う店内に、一人の男が足を踏み入れた。
「すみません、この花、何て名前ですか?」
カウンターの向こうで作業していた女性、花咲まいは顔を上げた。少し乱れた綺麗なブラウンの髪を直しながら、お客の声に応じた。
「それはデルフィニウムです。青い色が特徴的なんですよ。」
男はじっと花を見つめた後、まいの方を向き笑った。
「青木はるとって言います。写真家やってるんですけど、この花、写真のテーマにいいですね。」
はるとの他愛のない笑顔に、まいは思わず微笑んだ。「写真のテーマですか?」
「ええ、花とのつながりを撮りたいんです。たぶん君の作った花束も撮らせてもらうことになると思いますよ。」
ようたの言葉はまるで冗談のような話だったが、それが二人の出会いのきっかけだった。