「だから、触るなって!」
肩を組まれそうになって、イラッとした顔で払いのけると
「え〜しょっぴーが冷たい…」
不満そうな表情はするのの、離れて別の場所に行こうとはしない
「なんで、そんなに触られるの嫌いなん?」
今までも渡辺に触ろうとして、拒まれた事が何度もあり…
向井は不思議に思って聞いてみる
「別に…ただ鬱陶しいだけ」
「全然、答えになって無いやん…」
唇を尖らせ不服そうな態度はするものの、やはり別の場所に行こうとはしない
何度怒っても、振り払っても…それをモノともせずに向かって来る
このメンタルの強さは何処から来るのだろうか?その原動力は何なのか…気になった渡辺は
「なぁ、何で康二はそんなに俺に構うんだよ…」
仲の良い佐久間や目黒、兄貴と慕っている岩本と一緒にいた方が…絶対良いに決まってる
「だって、しょっぴーと居るの楽しいし…」
「は?楽しい?」
貶されて怒られて…これの何処が楽しいと言うのだろうか?
「楽しいやろ?しょっぴーは俺と居て楽しく無いん?」
「…いや、全然」
間一髪開けずに答えると
「もぉ〜しょっぴー!!そこは嘘でも、俺も楽しいって言う所やろ!」
そう捲し立てる向井に
「嘘でも良いんだな」
渡辺は小さく突っ込んでしまう
「あっ、しょっぴー…今、俺の事笑ったやろ!」
「笑ってないって…」
無意識に笑うなんていつぶりだろうか…
口に手を当て、緩んだ表情を引き締めると…向井が今だに何か文句を言っている…
適当にそれを聞き流し、視線を逸らすと
「無視せんといて!寂しいやん!」
今度は泣き落としが始まった
響き渡る叫び声、テンポの良い会話…
「あの2人、相変わらず仲良いなぁ〜」
「翔太も、まんざらでもないんじゃない?あぁやって感情的になるのって…康二の前でだけでしょ?」
その光景を微笑ましく見守る他のメンバー達…
知らず知らずの内に変わっていく自分の変化に…俺は、まだ気付けないでいた
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