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続き
「おい!お前!」
「は、はい……」
何やら校舎の裏で騒いでいる男子たちがいた。それに巻き込まれている女子もいる。
「俺たちと踊って貰うぞ」
「もう時間がねぇんだ!俺たちは相手を早くみつけねぇと!」
「お前は結構良い体してるなぁ……?」
「俺たちの相手にふさわしいぜ」
「で、でも私はもう相手がいるので……」
「そしたらお前の相手をぶちのめせばいいだけだな」
「そんなことやめて下さい!!」
「じゃあ俺たちと踊れ!!!!」
「そ、そんな……」
???「やめなさい!!……じゃなくて、お前たちやめろ」
「あん?なんだゴラァ?」
「クソジジィが俺たちに何の用だ?」
「ことによっちゃあお前をぶちのめすぞ」
???「その女性は嫌がっている。そんな女性と無理やり踊ってもお前たちの得たい報酬は手に入れられない。それに今夜はみんなが楽しむべきハロウィンパーティー。それなのに泣かせてどうする。お前たちが楽しみたいと想っているようにその女性だって楽しみたいと想っている。私からの提案は一つ。その女性や他の女性にも手出しするな。別にダンスパーティーは男女で行うべきと決まったものじゃない。男子たちと踊れば良いじゃないか。それをかっこ悪いなんて想う必要はない。」
「うるせぇ!!女子と一緒に踊った方が華があって良いじゃねぇか!!」
「クソジジィが俺たちに説教してんじゃねぇ!!」
「邪魔すんな!!」
???「女性はもう行きなさい」
「あ、はい!」
「あっ!おい!!!!」
女性は逃げ、怒りの矛先はお化けの仮装をした者に向けられた。
???「……分かった。なら……」
「「Trick but Treat」」
「何だそりゃ」
「『Trick or Treat』と間違えてねぇか?」
「どんだけボケてんだよ?じいさん〜」
???「……よし」
お化けの仮装をした者が大砲を構える。
「何だよその大砲?」
???「すぐに分かる」
そして、大砲を打った。
ドンッヒューーンベチャッ
「あがっ!!!!」
「何だこの気持ちの悪い匂いは!!」
「超キメェ!!!!」
???「もうやっちゃダメですよ……ダメだぞ」
服をめちゃくちゃにされたショックで男子たちは慌てて去っていった。
???「さてと……」
橙「次の場所へ向かいましょう」
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「ケッハハ!!超金取れた〜」
「ちょっと可愛い顔したらコロンと許しちゃうのね!バカな男子たち〜」
「これで結構稼げたんじゃない?」
女子たちが何やらこそこそと財布の中からお金を出していた。どうやら誰かから盗んだ物らしい。
???「お前たち。それはやめた方が良いぞ」
「はぁ?何なのじいさん」
「今札数えてるんだから邪魔しないでくれる?」
「そうよ!あんたにはあげるものもないんだから。あっお菓子は別にあげても良いよ?」
???「今すぐその財布を持ち主の元へ返して謝罪すれば、イタズラはしない。」
「イタズラ?何それ」
「お菓子あげれば良いんじゃないの?」
「何言ってんの?じいさん」
???「さぁどうする?」
「嫌に決まってんでしょ!!」
「こんな稼げるチャンス滅多に来ないんだから失うわけないじゃない!!」
「あんたなんかに邪魔される筋合いなんてないわ!!」
???「……なるほど。分かった。ならこうするしかない」
「「Trick but Treat」」
「『Trick but Treat』って……」
「お菓子をくれてもイタズラするぞって意味だけど、どこかで聴いたことあるような……」
「あっ!『トウヒガ学園』の裏帳簿でみたあの!!」
???「行くぞ」
ドンッヒューーンベチャッ
「きゃああああ!!!!」
「あんた何すんのよ!!」
「あぁ!!服がめちゃくちゃ!!」
???「一緒に付いてきて貰おう。持ち主の元へ返しに。そして謝罪を。その前にどうしてこんなことを?」
「お金が欲しかったのよ……うちそこまで裕福じゃないから……」
「せめて今夜ぐらいみんなと同じように贅沢したくて……」
「ここのお菓子は有料のもあるし……」
???「そうか……お前たちの事情を教えてくれてありがとう。……私の友人の言葉を借りよう。その友人はこう言った。悪いことをする時は、バレないようにやれば良い。もし、バレるなら私の財布から盗め……とな。」
「「!」」
???「私たちはお金を工面することはできない。そんな立場でもないし、そんな権利も持ってない。そんな奴がやれそれは犯罪だなど、やってはいけないことだの、説教するのも違うと私は想う。でも野放しにするのも違う。だから私の財布だけを盗んで欲しい。一言でもお金に困っていると言えばできる限り払う。それがお前たちも周りも傷つかない方法だから」
「本当に……良いの?」
???「あぁ。もちろんあまりにも大金は出せないがな」
「…………ありがとう」
「ねぇ。その言葉を言った人ってどんな人なの?」
???「そうだな……とても、とても……優しいけれど、壊れやすい人だな」
「へぇ……じゃあその人幸せになったら良いね」
「うん!私たちみたいな奴なんかにそんな言葉を送ってくれるんだもん」
「じゃあ私たちは持ち主に返しに行くね。財布」
???「あぁ。それから雫さんに頼めばその服は綺麗になるはずだから行ってみる良い」
「え!?良いの?やったぁ!!」
「よぉし!じゃあ早く返しに行こう!」
「おぉー!」
女子たちは笑顔になり返しに行った。
???「やっぱり……」
兎白「雨花の言葉は何かを突き動かす力があるんだな」
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瑠璃人「というわけで、そろそろダンスパーティーが始まる時間なんだけどよぉ……」
「「雨花がいない!!」」
橙「まだみ回りしてるんでしょうか……」
兎白「その可能性は高いな。ダンスパーティーに参加するつもりはさらさらないみたいだし」
桃時「じゃあアタシたちはダンスパーティー会場まで行ってましょ?」
瑠璃人「でもそれだと仲間外れになるんじゃ……」
桃時「大丈夫よ〜策があるから」
橙「策?」
兎白「どんな策なんだ?」
桃時「とにかくアタシたちは会場に行かなくちゃ。ほら行くわよ」
橙「は、はい!」
兎白「待ってくれ!桃時」
瑠璃人「あいつ何考えてんだ?」
橙、桃時、兎白、瑠璃人はそれぞれの仮装服を着て、ダンスパーティーの会場に向かった。
桃時の考えた策とは何なのか────?
【続く】