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第一話と少しちがう感じで書きました。気に入ってもらえるとうれぴゃ~です。
夕焼けが滲む視聴覚室。カーテンが半分閉まって、オレンジの光が静かに差し込んでいた。
「……ねえ、おんりー」
おらふくんが、ぽつりと僕の名前を呼ぶ。
振り返ると、少し上目遣いで、頬を染めながら笑っていた。
「最近、ちょっとだけ寂しかったんだよ」
「……え?」
「だってさ、目、あんまり合わせてくれないし。僕のこと、避けてる?」
そんなわけない。
だけど、目が合うたび、顔が赤くなってしまう自分がいて。
うまく隠せなかった想いが、逆に伝わってしまっていたのかもしれない。
「ごめん……そうじゃないんだ。僕、ずっと……」
言いかけたところで、おらふくんが僕の制服の裾を軽く掴む。
「好き、なんでしょ?」
「……うん」
僕がうなずくと、彼はそのまま僕の隣にすっと座って、肩を寄せてくる。
制服の生地越しに感じる体温が、心まであたためるみたいだった。
「僕もだよ。ずっと、言いたかった」
そう言って、おらふくんが僕の手をそっと握る。
小さくて、でも意外としっかりしてて、少し汗ばんだ指先。
僕の指に絡めるように動かしてくるその仕草が、やけに胸に響く。
しばらく、無言のまま。
でも、その沈黙は居心地がよくて、まるで言葉の代わりに手のひらで想いを交わしているようだった。
「おんりー、もっと近くに来て」
おらふくんが囁くように言って、僕の肩に頭を乗せてくる。
そして、小さな声で続けた。
「ぎゅってしてくれたら、もっと安心できる」
僕はその言葉に導かれるように、彼の肩をそっと抱いた。
華奢な背中を包み込むように抱きしめると、胸の奥がじんわり熱くなった。
「……おんりーの手、あったかいね」
「君の体も、ちょっと震えてる」
「だって……すごく、ドキドキしてるもん。今、初めて……好きな人に触れてもらってるから」
その一言で、僕の腕にぎゅっと力が入った。
「ねえ、おんりー」
おらふくんが、顔を上げて僕を見つめる。
唇がすぐそこにある距離。
でも、彼はすぐにキスしなかった。
目をまっすぐ合わせて、優しく言う。
「ちゃんと、大事にしてくれる?」
「……当たり前だよ。君が泣くようなことは絶対しない」
僕の言葉に、彼がふっと笑って、今度こそ唇を重ねてきた。
触れるだけの、やわらかくて長いキス。
何度も、何度も、重ねるたびに、心の距離が溶けていくのがわかる。
手は自然に肩を撫で、背中にまわり、どんどん抱き寄せる力が強くなる。
彼もまた、僕の制服の胸元をそっと握りながら、くっついてくる。
「……もう少しだけ、こうしてていい?」
「ずっとでもいいよ」
視線が合ったまま、ほんのり涙ぐんだような目で、彼が笑った。
その夜、僕たちは言葉を超えた気持ちで、静かに深くつながっていった。
まだ“付き合う”とは言ってないけど、もうそんな言葉じゃ足りないくらい、心は重なっていた。
👍️👍️👍️👼⇡
ではおつら!✌!