放心状態のテヒョン。
首元に大きく跡をつけるのは、あとから後悔するジョングクの悪い癖だった。
「テヒョンイ…、好き」
頭がぼうっとするほど永いキスをして、視界が揺らぐほどに甘い言葉をかける。
テヒョンはジョングクからの思いがけない重い愛に押しつぶされそうになりながらも、頑張って受け止めようとする。
「顔とろとろだ〜?、ㅋㅋ」
「かわいい」
ジョングクはテヒョンの口の中で舌を見つけると、追い求めるようにして絡める。2人の唾液がどちらのものかわからなくなるくらいにいっぱいになると、ようやく唇を離した。
ながく巧妙なキスに脳がやられたのか、テヒョンの顔はわかりやすく蕩けていた。
頬は火照り、瞳はジョングクの目と唇を交互に揺らがせ、唇は半開きで。
「ぐが…」
「ん?」
「さっき…、てひょんいって、」
「あ〜ㅋㅋ」
「びっくりした?」
こくこくと無言で頷く。
ごめんねと掠れた優しい声で囁き、先程つけた跡に指を這わせる。
子供扱いをしているような言葉遣い。
甘く掠れた声で語尾の音色を上げて、優しく囁く。
ぎゅんと心臓が掴まれたように、テヒョンが声を漏らす。
「ぅ…」
「すき、ほんとに、」
「俺もあいしてる、ふふ」
「す…き、…」
ジョングクの今までの行動の積み重ねに、テヒョンは完全に堕ちきっていた。
目にはハートがうかんでとろとろになっている上、目の前の人物が愛おしくて、大好きで、たまらない、という顔。
心臓はずーっとギュンギュンとあつい状態を保っている。
「おれ…ぐががいちばん」
「ぐがだけ、ほかの人好きになったことない」
「ん〜、しってるよ」
「俺もてひょんいひょんだけだよ」
「ほんと、」
「うん、ほんと」
「てひょんいひょん以外こんなかわいい反応してくれる人もいないだろうしね」
頭を撫でられて、今までだったらいつものこと、と流せていたその行為さえもがテヒョンにとって尊く感じる。
「ねぇ、ほんと、おれ、いつも冷たい?ごめん、」
「でもめっちゃ好き、」
「ううん、やさしいよ」
「あ〜…ほんとにかわいい」
「だいすき、大好き」
「すきすぎておかしくなる」
「そんなこと言ってくれたのはじめて」
「どしたの」
テヒョンは身体中が痺れる感覚に襲われながらも、たどたどしく話す。
「わかんないけど」
「なんか、…ぅあっ!?」
ジョングクは、うんうん、と頷きながらテヒョンの下をいじり出した。
まるで何事もないかのような顔をして。
「ぁうう、はな、してっ、…ね…ぇ」
「ん?どうしたの」
「ちがっ、」
「はぁううっ」
んんっと大きな声を漏らしたことに自分でも驚いたのか、慌てて口元に手をやる。
「ぁ〜だめ、聞かせて」
ジョングクが腕を優しく剥がすと、テヒョンは困り眉で涙目になりながらジョングクを見つめ、唇からは唾液がこぼれていた。
「な…、にその顔、」
「ひょん…」
「ごめ、きたな……」
「だめ、拭かないで」
ちゅ、と唇を重ねた後、垂れた唾液に指を這わせてそれを舐める。
「…っずるい、」
「そんなの、…ぁっ、」
「ろれつまわってないね」
「どきどきする?」
「しすぎ、て…むり、」
時々声が裏返りながらも、テヒョンは頑張って、頑張って話す。
「甘えん坊さんだね」
「いっぱいあまえて気持ちよくなってね」
「ふふ、てひょんい」
その一言でテヒョンの瞳は、耐えられずに涙を流した。
END
コメント
6件
続き待ってました…!!もう二人がめちゃくちゃ愛し合ってるのが伝わってきてこっちがドキドキしました…ほんと主様のお話大好きです💓
あ〜!最高です!! やはりテヒョン受け最高! 涙目でベッドシーツ ギュッと掴んでるとかもう!!!!! 想像するだけで可愛すぎ🤦♀️
ついにEND、、、!! 素敵な作品ありがとうございました幸せでしたああ💭