皆さんこんばんわ、ねこねこマンです!
今回は風邪っぴきエーミールさんのお話です!
楽しんで頂けると嬉しいです!
注意
・これは我々ださんの二次創作です。
・軍パロになります。
・語彙力?ナニソレオイシイノ?
・カッコいい、エミさんはいません。
それでは、ゆっくりして行ってね!
視点 エーミール
昔から雷の日が嫌いだった。
故郷ではあまり雨が降らなかったせいか、特に強い雨がふり、雷が鳴る日は熱を出した。それが高い熱でさらに、雷が不安を煽って最悪だった。雨のせいで聞こえ辛い母の声もその中で一際目立つ雷の音も高い熱のせいで朦朧とする意識も全てが嫌いだった。疲れていたせいだろうか?雷が大きな音を立てる雨の日何年かぶりの高熱を出した。
「久しぶりに風邪引いてもうたぁ。」
寝起き一発目で吐き気に襲われた。最悪だ。いつも朝食の2時間前には起きているが今日は朝食までもうあと少ししかない。
さて、どうしようか。
今日の予定はいつも通りの書類仕事のみ。特にこれと言って特別な用事はない。体温計もないこの部屋ではただ自分の熱が高そうだと言うことだけしか分からずどれほど高いのか分からない。普通は早急に医務室に行くべきなのだろう。だが、みなさん一度は経験があるのではないだろうか、熱があり具合が悪い時に限り仕事や学校に行かなくてはいけない気がするあの現象。まさにあれである。いつもよりも何倍も動かない頭で弾き出した答えは熱が下がるまでバレずに今日一日を過ごすことだ。よしっ!と息込んだ瞬間部屋の扉がノックされる。少し乱暴なその音に声を聞かなくてもすぐにわかった。ゾムさんだ。
「え、エミさん?もう朝ごはんのじ、時間やで?何かあったん?」
「え〜っと、あの、何もないんですけど。今日はちょっと朝ごはん食べるのやめときます!」
「は?何で?」
「あ、えと、そう!そうだ!昨日の夜ご飯食べすぎちゃって食欲無くてぇ〜、それに今日はもうちょっと寝てたいなぁって。」
「?、昨日エミさんそんな食べてなかったやんな?」
まぁ、わかったわ。そんな納得いかないと言う声の後部屋の前から気配が消えた。ドアを開けて確認したら食堂に向かっているようで安心する。彼は人の違いに敏感だ。今あったら一発でバレるだろう。すぐに椅子に腰掛け、書類に取り掛かる。でも頭が働かず上手く資料が読み解けない。やっと一枚の書類が半分ほどできた頃。少しきつくて机にうつ伏せになった瞬間、後ろの上あたりから声をかけられた。
「エ〜ミ〜さ〜ん〜?」
「ひっ、え???ぞっ、ゾムさん?何でここに?」
「朝ごはん食べてからやっぱおかしいなぁって思てダクト通ってきてみれば!お前熱あるやんけ!!!」
「あ、あははは。」
「はよ、ぺ神のとこ行くで!!」
ダクトから音もなく、着地した脅威に手を引かれ医務室へ連行された。隣の薬品保管庫から顔を覗かせた軍医が不思議そうに近づいてきて自分の顔をみてすぐに黒いオーラを身に纏い圧をかけてくる。
「あれれ〜エミさん。一目で見ただけで熱だってわかるような顔してるのはまだ良いとして、な〜んでゾムに連れられてるのかなぁ?」
「えぇっと、これには深いわけがあr
「こいつ俺に嘘ついて熱あるの隠してたで。」
「はい、アウト〜!!!」
「あぅ〜、、、」
用意された清潔なベットにゆっくりと寝っ転がる。余計な匂いのしない医務室は気分が楽になった。一息ついた瞬間。煩わしい音を立てながら雷が落ちた。少し動いた体に二人が不思議そうな顔をする。
「、、、、、エミさん。もしかして」
「な、何ですか?!どうかしました?!」
「お前、、、、、」
「「雷、嫌いなの?・なん?」」
「違います!!!!!」
「いやいやいや、お前それは無理あるやろ!」
「エミさん素直に認めた方が楽になるよ?」
否定の言葉を言おうとした瞬間、今度はもっと大きく雷に反応してしまった。これはもう言い訳は出来ない。最初に反応した時点でもう手遅れだっただろうが。この人たちに知られたら煽られ散々ネタにされるに決まってる。だか ら少しぐらい悪あがきしたってバチは当たらないだろう。
「ふ〜ん?へぇ〜?嫌いなんやぁ。」
「そうですよ!!!!もう!」
「じゃあ、そろそろ俺行くなぁw?ちょっとみんなに教えたいことできたからw」
「はぁ〜い、エミさんはもう寝ようね?熱結構高かったからね?」
そう言いニヤニヤとしながら扉へ近づく彼の皆に〝教えたいこと〟は明白だ。弱味を握ったお代に少しぐらい我儘を言ったって許されるだろう。
「ゾムさん、私の部屋に赤い表紙の茶色い栞を挟めた本があります。持ってきてくれませんか?」
「は?」
「はい?」
「え?」
「エミさん今自分の熱の高さどんくらいか分かってる???38.4℃だよ?」
「あら、まぁ、そうなんですね?」
「この熱で俺が読書許すと思う?」
「お前、資料読むの苦労してたよなぁ?そんな状態で文字読めんやろ?馬鹿なん?ハゲなん?」
「今のハゲは関係なかったやろ!」
「とにかく読書はダメ。大人しく薬のんで寝る以外は許さないからね?掘るよ?」
「え、でも。」
「ね?」
「あ、はい。」
例のジェスチャーをしながら圧をかけられたら「はい」以外の言葉なんて言える人間はここにはいなかった。でも正直言って、この雷の恐怖をすこしでも紛らわせるには何か他のことに集中するしか思い付かない。また雷が落ちた。本当に大嫌いだ。
「・・・」
しばらく二人が顔を見合わせたかと思うと、「それじゃあ」と言いゾムさんが医務室から出て行きしんぺい神さんに寝かされてしまった。
多分それから3時間も経っていないだろう、つむっていた目を開ければショッピ君とチーノ君がいた。
「イェーイ、エミさんちゃんと寝てるぅー?」
「どうも、お見舞いに来ました。」
「お二人とも、、、ありがとうございます。」
「まぁ、お見舞い言うても俺らが一方的に喋りかけるだけやけどなぁ。」
「エミさん喋んなくても良いっすよ。暇だから来ただけなんで。」
そう言って笑いながら近くの椅子に腰掛けた後輩二人に色々言いたいことはあったが雷が気にならなくなったので黙っておいた。それから本当に二人でずっと喋っていてしばらくしてからだった。シャオロンさんとロボロさん大先生が二人と入れ替わるようにお見舞いに来てくださったのは。
「どうもぉ、サボりに来ました。」
「クズやん。」
「シャオチャン」
「キッショ」
「シャオさんもサボりやろ!後でどっちもトントンに報告しておくからな。」
「「これだから、ホビットは」」
「ホビットちゃうわ!!!!」
入ってくるなりそんなに会話を広げて始めた3人は予想していた通りに近くて仕事をしていた軍医様にお叱りを受けていた。この3人も同じようにただそばで会話を繰り広げているだけだった。不思議に思っていると、今度はパソコンを持ったオスマンさんとお粥を持ったひとらんさんがお見舞いに来た。
「マンちゃんがお見舞いに来たったで〜エミさん。」
「お粥、届けにきたよ。食べれそう?」
『熱出した馬鹿を見せてもらいに来た。』
「ありがとうございます。少しだけなら食べられると思います。」
『全部食えよ。』
「兄さん意地悪しないの。」
「めぅ〜。」
「マンちゃんはエミさんつつかないの。」
お粥を食べ薬を飲んだ後でもまたもや3人ともそばで喋っている。そばで喋られてもキツイわけでもないし、むしろ心地よいと思っていた。薬が効いてきたのか眠気に襲われていつのまにか寝てしまった。目を開ければトントンさんとコネシマさんがそばで喋っていた。
「いやいや、前のアレの方がええって。」
「いや、ちゃうな。あのホラーゲームは面白くなかったね。うん。」
「えぇー、部長趣味おかしいんちゃいますぅ〜。」
「やっぱり、一番最初にやったアレが一番やろ!」
「あぁ、でもそれもそうやなぁ。」
どうやらホラーゲームの話をしているようだった。一番最初といったら、あの、首吊り死体を見て爆笑していたヤツのことだろうか。あれは正直気が狂ったんじゃないかと思った。自分が起きたことに気づいた二人はそれでもずっと喋り続けていた。しばらくしてからノックがしたと思ったらグルッペンさんが二人と入れ替わりで入ってきた。
「エーミール先生お見舞いにきてやったぞ!」
「ふふ、ありがとうございます。」
「お前がいないとゾムがつまらなそうだ、早く治せ。」
「はい。」
「お前の部下も心配していた。」
「はい。」
「次熱をある時嘘ついたら許さないぞ。」
「はい。」
彼の低い声が心地よくてさっきまで眠っていたのにまた眠くなってきてしまった。うとうとと、どんどん瞼が重くなっていく。
「雷が怖くなったらいつでもこい、耳障りな音が聞こえなくなるように幾らでもしゃべってやる。だから安心して眠れ。早く治せ。」
その言葉を最後に眠りに落ちてしまった。
昔から雷が嫌いだった。
高い熱も
恐怖を煽る雷の音も
その二つよりも聞こえ辛くなった母の声が何より嫌だった。
まるで母が消えてしまいそうで嫌だった。
あの人たちの声は不思議と雷よりも良く聞こえる。
その声が心地よくて、嬉しくて、具合が悪いのも薄れるほどだった。
ゆっくりと目を覚ます。
そばには、見覚えのある黄緑色の某ゲームの人形が置いてある。潔癖症の彼が風邪な私の手を引いて移動したことも驚きだったのに、お見舞いにもきてくれたとは。それにこれは確か触り心地がよくて彼のお気に入りだった筈だ。
「ふふ。こんなに心配してもらったんや、早く治さないかんな。」
最後までご覧いただきありがとうございました!
それではまた次の作品でお会いしましょう。
コメント
4件
めっっっちゃ好きです! エミさんみんなから愛されてて口角が吊りましたwww