「疲れたぁ…」
「うん…そうだね…」
あれから職員室行って涼太のことを言ったら、何故か校長室に拘束され事情を聞かれたり質問されたりして、終わる頃には放課後になっていた。あいつらは停学になるらしい。皆が帰った教室で俺らは机を向かい合わせにして項垂れた。
「あんなに拘束する…?しかも校長室…」
「ってか、翔太結局保健室行けなかったね…」
「…あー、忘れてた…」
「忘れてたって…」
2人で会話していると見知った影が近付いてきた。
「よ、翔太。こんな時間まで残ってるの珍しーじゃん。」
「あー、照、ふっか…」
「何してたんだよ。」
「まぁ、色々…」
「ふーん…んで、そっちの子は誰?」
ふっかはそう言って涼太を見る。ふっかの視線に気付いたのか涼太は肩をビクッとさせた。
「ふっか怖がらせんなよー」
「えー、そんなつもりはなかったんだけど。ごめんねー」
「いや、大丈夫…です。」
「んで、翔太。その子誰?」
「あー…宮舘涼太。俺らと同学年で、いじめられてんのを助けた。」
「え、いじめられてたの?」
「…っ」
「あ、ごめんね。デレカシーなかったね。」
「っ、いや…すみません。」
「大丈ー夫。いじめられたんたら初対面のやつに警戒すんのは当たり前だしねぇ…」
「ってかお前らも自己紹介しろよ。」
「あーそうだね。俺は深澤辰哉。ふっかって呼んでー」
「…岩本照。照でいいよ。」
「ふっかさん、と照さん…ですね。よろしくお願いします。」
「さん付けやめてー?翔太の話聞く限り同学年なんだし、さん付けずに敬語も外そうよ。宮舘涼太君でしょ?なんて呼ぼうかなー」
「俺は舘さんって呼ぼうかな。いい?」
「あ、うん。いいよ。」
「じゃあ俺も舘さんって呼ぶーよろしくねー」
「よろしくね。」
「そーいや佐久間と阿部は?」
「2人ともそろそろ来るよ。」
「…っと、噂をすれば。」
「おっちー!!皆いるー?」
「佐久間うるさいよ。」
「ごめーん阿部ちゃん!…およ?翔太の前にいる子は誰?」
「…宮舘涼太、です。」
「涼太ね!学年は?」
「1年…生…」
「おー!俺らと同じじゃんよろ!」
「う、うん。」
「佐久間、自己紹介しないと。舘さんびびってるよ。」
「あ、忘れてた。俺は佐久間大介!佐久間って呼んでー!」
「阿部亮平です。みんなからは阿部ちゃんって呼ばれてるけど…好きに呼んでね。」
「佐久間さんと阿部さん。」
「敬語とさん付け禁止ね!」
「…ですよね。」
「ですよね?」
「あ、いや…なんでもないです。」
「…敬語。」
「あ、ごめん。」
「いーよいーよ!徐々に外していこー!」
「うん。ありがと佐久間。」
そう言って涼太は佐久間に微笑んだ。佐久間は目を丸くしてそれをじーっと見つめた。
「あの、佐久間?俺の顔に何か付いてる?」
「…涼太、眼鏡外してさ、前髪あげてみてよ。」
「…え?いいけど…」
そう言って涼太は眼鏡を外し、前髪をあげた。
「…舘さんめっちゃイケメンじゃん。」
「何かオーラあるよね?」
「王子様的な?」
「王子様というよりは…国王?」
「そう!それ!」
「あの…戻していい?」
「あ、うん、いいよ。」
そう言って涼太は元に戻した。すると、今まであまり喋ってなかった照が涼太に話しかけた。
「…舘さん。」
「…?どうしたの照?」
「髪切りに行こう。眼鏡もさコンタクトにしようよ。」
「え?何で?」
「だってかっこいいのにもったいないじゃん!みんなもそう思わない!?」
「確かにねぇ…」
「佐久間さん、こんな展開漫画でしか見たことない!ワクワクする!」
「えっ、でも、お金ない…」
「俺が出すから!ね、お願いー!」
「…っ、分かった、分かったから…お金はちゃんと返すからね。」
「やったー!行こう皆!」
「照張り切ってんなー…」
こうしてみんなで涼太を囲うようにして、俺らは美容院に向かった。
コメント
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続き楽しみです🤭