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「説明お疲れ様」
「いえいえ、皆で作った原稿を読むだけですから」
美洋さんは、そう謙遜する。
「でも、美洋はああいう発表が上手いのだ。色々と人を引きつけるのだ」
確かに、そうだよなと僕も思う。
4月8日放課後、いつもの準備室。
新入生対象の課外活動オリエンテーションがあった、その後。
「今日は新入生、誰か来るかな」
「わからないな。初日だし、様子見という人も多いかも」
「そうだよね」
そんな事を話しつつも、ちょっとそわそわしていたりして。
説明用のパンフレットは、十部ほど作ってまとめてある。
新人歓迎体験キャンプの案内パンフも中に入っている。
更にフキやコシアブラ、つくし、タラの芽といった野草料理の見本も、冷蔵庫にしまってある。
団栗のクッキーまで。
装備もランタンとかバーナーとか、わかりやすい小物は見本を置いてある。
テントやザック、寝袋も、隣の実験室にスタンバイ済み。
つまり新人さんどうぞいらっしゃい、という態勢だ。
「昨年はどうだったのだ?」
「2日目くらいに美洋が来たのが最初だっけ。その前に、別件で悠と彩香が来ているけれどな」
「昨年は募集活動をしませんでしたしね。一人だし、廃部もしょうがないかなって」
「こんなに増えるとは思わなかったしさ」
確かに、そうだよな。
廃部寸前と聞いて、入ろうとしたら美洋さんがいて、そして未亜さんが加わり、亜里砂さんも入って。
山菜採りから始めて、ハイキング、釣り、無人島サバイバル、登山、雪山。
サイクリングは行けなかったけれど、色々やったしな。
この学校に来る前は、こんな活動をするとは思ってもみなかった。
それに、彩香さんはやっぱり可愛いし。
色々楽しいよな、中学に入ってから。
「悠、何をにやけているのだ」
亜里砂さんが、ニヤニヤしながら俺の方を見る。
さては、また俺の心を見たな。
「見えてしまう物は仕方無いのだ」
亜里砂さんの場合は、確かに仕方無いのだけれど。
コン、コン。
扉をノックする音がした。
新入生かな。
「はい」
彩香さんが立ち上がって、扉を開く。
新入生らしい生徒が3人立っていた。
女子2人、男子1人だ。
「すみません、こちらは野外活動部ですか」
彩香さんは頷き、笑顔で応える。
「はい、そうです。こちらへどうぞ」