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8月32日。
1話完結。
地雷さんブラウザバック。
勇斗視点。
8月31日の夜、8時のことだった。
🩷)今日も告白できなかったな…。
暗闇に包まれた部屋にそう呟く。
俺が産まれたのは小さな島だった。
小学校も、中学校も高校だって同じだ。
俺には幼馴染がいる。4人。
そしてそのなかで一人、小学生の頃から片思いしてる人がいる。
山中柔太朗ってやつ。
ずっと一緒にいるけど、告白できない。勇気がない。
ほんとは今日したかったけど、後ほんの少しの勇気が足りなかった。
🩷)ま、また明日告白すればいっか…。
そういい続ける毎日だ。
明日から2学期が始まる。
告白するチャンスなんて、いくらでも____ 。
俺の瞼はゆっくりと閉じていった。
次の瞬間。
ブーッブーッ。
🩷)ビクッ、
スマホがなった。
電源をつける。
🩷)眩しっ。
目を細める。
🩷)なんだ仁人かよ…。
そう呟き、緑色の縁をスライスさせる。
🩷)もしもしっ?。
💛)、はぁはぁ…。
仁人はとても疲れてそうだった。
🩷)なに?…。
💛)っ、お前、今どこ?…、。
🩷)は?、家だけど…。
💛)…っ。
🩷)なに?、なにもないんだったら、切るぞ?…。
俺がそう言い、切ろうとした瞬間、
💛)柔太朗が、しんだ…。
🩷)……。
🩷)はっ?…。
🩷)お前、なに。ふざけてんの?、笑。
🩷)だとしたらまじで洒落にならねぇかr…。
💛)誰がそんな嘘つくかよっ…。
仁人の声が震えている。
頭が真っ白になる。
💛)今夜…、通夜があるってっ、ッポロ
電話越しでも伝わる。
仁人が泣いている。
🩷)………。
💛)とりあえず切るからな…。
そう言い、仁人との通話は終わった。
何も考えられない。
母)、コンコンッ
部屋をノックされる。
🩷)……。
母)勇斗、。
母だ。
きっと柔の事話しに来たんだろう。
母)…、知ってるかもしれないけど、さっきね。
母)柔太朗君のお母さんから電話があって、柔太朗s…。
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🩷)知ってるから黙って。
母)……。
いつもなら怒るのに。
🩷)通夜行ってくるから。
そう母に言い残し、俺は家を出た。
仁人から伝えられた場所につく。
🩷)ガラッ
戸を引く。
💛)勇斗っ…。
仁人が近づいてくる。
俺はすぐそこにあった棺に近づく。
🩷)っ……。
そこに眠っているのは、相変わらず美しい柔太朗。
でも、顔には所々傷がついている。
俺は泣けなかった。
周りの人みんな泣いてる。
俺はまだ心の奥底では柔太朗は死んでないと思ったから。
だって数時間前まで遊んでた友達が急に死んだなんて。
信じれるわけないだろ。
俺はその後家に帰り、いつも通り飯を食い、風呂に入り、ベッドに寝転ぶ。
何故だろう。寝れなかった。
何時間経っても一睡もできない。
でも、不思議と眠くない。
気がつくと、朝を迎えていた。
🩷)学校か…。
俺はスマホの電源をつける。
🩷)ん?…。
そこには信じられないことが表示されていた。
8月32日。
そして、その下に。
7時23分。
おーい!、勇ちゃん、起きてる~?、今日、ラジオ体操あるよ~!。
柔太朗からのメール。
思わず目を擦る。
正常だ。
電源を切る、そして付ける。
正常だ。
母)勇斗!。
🩷)ビクッ
いつも通りの母の声。
🩷)なんだよ…。
母)柔太朗君、暑い中あんたの為に外で待ってくれてんの。
母)早く行ってきなさい。
🩷)はっ?…。
俺は飛び起き、玄関へ向かった。
🩷)柔っ?…。
🤍)あ、勇ちゃん、やっときた~。
🤍)暑いね~。
いつもの柔だ。
何の異変もない。
🩷)っ…、。
🩷)夢か……。
俺は小声でそう呟いた。
🤍)夢?。
🤍)どんな夢?…。
柔太朗にも聞こえてたみたいだ。
🩷)悪夢だよ悪夢!。
🩷)最悪だよっ…。
🤍)どんな悪夢だったの?…。
🩷)お前が死ぬ夢。
🩷)縁起がない夢。
🤍)っ…。
🤍)そっか。
ほんの一瞬、柔太朗は動揺し、目を逸らした。
🩷)ん?…、どした?。
あ、そうだ、柔太朗に今日の日付聞いてみるか。
🩷)なぁ、柔。
🤍)なに?、。
🩷)今日って、何日だっけ?…。
🤍)なにそれ、笑。
🩷)わかんなくなった。
🤍)今日は、8月32日だよ?…。
🩷)……、。
は。
もしかして、これが夢なのか。
🩷)なぁ、柔。今からラジオ体操行こうぜ!。
🤍)遅い!。もう終わったよっ!。
🤍)今何時だと思ってんの。10時だよ、10時!。
🩷)まじっ。
🤍)まじだよっ!。
🩷)とりあえず俺着替えてくる。
🤍)はーい。
🤍)で、何処行く?。
🩷)う~ん。
🩷)いつもの場所とか、笑。
🤍)、笑。飽きないね、勇ちゃんって。
🩷)そりゃそうだろ。
🩷)俺、この島の海大好きなんだから。
いつもの場所というのは、俺の家のすぐそこにある海だ。
🩷)きもちー!。
🤍)気持ちいね~。
🤍)勇ちゃんと見られるのもこれで最後か、ボソッ
俺は柔太朗が言ったことを見逃さなかった。
🩷)なぁ、柔。
🤍)ん?…。
🩷)夢の話しに戻るんだけどさ…。
🤍)うん。
🩷)あれ、夢じゃなかったわ、笑。
🩷)あれは現実でこれが夢。
🩷)違う?…。
柔太朗は黙り込んでしまった。
🤍)流石だね…。
🤍)うん…。ここは確かに現実の世界じゃない。
🤍)俺さ、あの日さ、勇ちゃんと別れてから軽自動車にぶつかったんだよね。
🤍)で、気づいたらここ。
🩷)……ッポロポロ。
🩷)お前、ほんとに死んだんだな。
🤍)うん。
🩷)俺さ、柔に言いたいことがある。
🤍)なに?…。
🩷)俺さ、柔のことg…。
俺がそういいかけると柔太朗は俺に近づいてきてきた。
🤍)未来で待ってる。
そう言った。
🩷)っ?…。
🤍)来世で楽しみにしてるから。
🤍)絶対迎えに来てね。
🩷)っ…。
🩷)わかったよ。
🩷)来世でも絶対お前を見つけるから。
🤍)うん…。楽しみにしてる。
🤍)またね。
🩷)うん、またなっ!。
そう言うと、柔は、俺の肩を数秒掴み、その後歩いて何処かへ、居なくなった。
後ろを振り返っても。何処にも。
俺はその後家に帰りそのまま寝た。
次の日起きたら9月1日だった。
夢のような一日だった。
もちろん柔太朗はいない。
1年後。
柔太朗が死んで1年が経った。
そして俺はこの島を出ることに。
🩷)……、俺、この街を出ることになったわ。
俺はあの海で拾ってきた小さな貝殻を墓に置いた。
🩷)じゃあな。
そう告げた。
勿論、誰も返してくれない____。
🤍)ばいばい。
🩷)っ!…。
そう、聞こえた気がした。
🩷)…、。
🩷)ばいばい。
コメント
1件
うわあ…これ、すごく切ないお話ですね。8月32日というありえない日付が、現実と夢の境界を曖昧にして、柔太朗と過ごす最後の一日をより一層特別なものにしている。勇斗が「お前が死ぬ夢」と話した時の柔太朗の一瞬の動揺とか、最後に「未来で待ってる」って伝えるところとか、読んでて胸がぎゅっとなりました。1年後、島を出る勇斗に「ばいばい」と聞こえた気がするラスト、あれは絶対に柔太朗の声だと思います。いい話をありがとうございます。