さつじんきのにっき

━━━━━━━━━━━━━━━                      にっき

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1

きょう。ヒトをころした。ひとり。おんな。よるのミチをあるいていた。よわかった。なんだか。つめたい。

2

きょうも。ヒトをころした。きょうはふたり。おさけをノんでいた。おとこ。よわかった。つめたい。

3

きょうも。ヒトをころした。またひとり。おとこ。ちょっとつよくて。くろうした。となりのおんなはにげた。あした。つかまえる。

4

きのうのおんなをころした。かんたん。よわい。でも。つめたい。

5

きょうは。いない。きぶんじゃない。でも。あしたいく。めずらしく。いらいきた。おんな。

6

いらいのおんな。いけどりした。ぬしにわたす。

7

ぬしのおとこ。わらっていた。おんな。ないていた。かね。いらない。でも。あたたかい。ほしい。

8

きょうは。ごにん。ころした。いらいらした。おとことおんな。でも。つめたい。

9

ヒト。つめたい。あたたかい。ない。

10

つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめたい。つめ

11

おんな。きた。まえ。ないてた。おんな。ないてる。

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おんな。なまえ。きいた。まや。おれ。なまえ。ない。まや。つけた。おれ。こうき。

13

まや。あたたかい。

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まや。やさしい。あたたかい。きれい。

15

きょうは、ぶんを、おしえてくれた、まや、ありがとう

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かんじ、が、かけない、でも、まや、やさしい

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ゆっくり、と、おしえて、くれた、まや

18

きょう、ヒトをころした、まや、ないた、ごめんね

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すう日で、すこしかんじ、が、かけた。まや、ごめんね、ありがとう。

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まや、かんじしらない。

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まやは、舞夜ていう。おれ、光輝。舞夜、かんじ、がんばるよ。

22

 。

23

、

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かんばって練習した。文の作り方も、おしえてくれた。舞夜は、世界でいちばん、暖かい。

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重いびょうきにかかった。お金はない。少しいきが苦しい。舞夜は、心ぱいしてくれた。

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それでも漢字を練習した。文も練習した。少しはなせるようになって、舞夜、うれしそう。

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病気がなおらない。でも、舞夜は俺を、見てくれてる。応援してくれてる。

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舞夜がイスで寝ていた。寒そうだったから、毛布かけた。漢字も書けるようになってきた。舞夜、心配しないで、俺は舞夜のこと大好きだから。

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、

31

あ

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今日、久しぶりに外に出た。舞夜と一緒。色々なことを教えてくれた。でも発作がおきて、すぐ帰って来てしまった。ごめん。

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いつまでたっても治らない。息が苦しくて、会話も難しい。舞夜はほんとに心配してくれた。逃げてもいいのに。

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起きたら舞夜がいなかった。キッチンにもソファにもいなかった。きっと逃げたんだと、思う。でも、それでいい。

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舞夜は帰ってこない。でもいい。

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家に1人。舞夜はいない。苦しい。

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字を書くのでも精一杯だ。いつもより苦しい。いつも、舞夜がいた時よりも。

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俺はきっと、もうすぐ死ぬ。舞夜は帰ってこなかった。食べ物も食べれなくて、水を飲んで寝るしかなかった。舞夜、ごめんな。

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扉が開く音と同時に舞夜が入ってきた。帰ってきてくれたんだ、でも、舞夜は泣いていた。1人にしてしまってごめんなさい、って。

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俺はソファに座って食事を作る舞夜を見ていた。相変わらず綺麗な横顔。笑顔が素敵だ。

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またソファで舞夜を見ていた。肉の焼けるいい匂いがする。舞夜は鼻歌を歌いながら話しかけてきた。「待ってね、すぐ出来るからね」優しい声に、生まれて初めて涙が出た。

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舞夜に触れると、暖かみを感じる。今までとは違う、冷たくない。

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もうげんかいだ。じをかくのでせいいつぱい、まやは、きっちんにいる。ごめん、まや、さいごになにもいえなくて、ごめん。

でも、いままていつしょにいてくれて、ありがとう。あいしてる。

私もよ、光輝。