『 雪降る世界に真紅の華を 』
ー 氷華 ー
あの日から約2ヶ月が経った今
クラスメイトの白咲雪乃が
“ 行方不明 “となった。
その子の机には赤黒い汚れが付いていて、
警察は虐めがなかったかを調べている。
白咲雪乃は
名前の通り雪の様な人だった
セーラー服の裾から伸びる
透けるように白く華奢な腕
どこか冷たい大きく飾らない瞳
歩く度に揺れる髪
あの子とは少し違った雰囲気で
あの子と同じ様に驚く程綺麗な人だった
だけど性格は対極だった。
白咲さんは静かで人との関わりも殆どなく、
あまり人と話している所を見たことがない
人と話すのが苦手と言うより、
まるで、
自分を取り巻く全てのものに
興味が無い様だった。
それでも美しい容姿により
遠くから見ている人は数多く居た。
しかし近づこうとする人は殆どいなかった。
そんな中、いつでも孤独で氷姫の様な彼女に
あの子は興味があったようで、
私があの子と仲良くなった頃くらいから
あの子が白咲さんに話しかける所を見る様になった。