「俺は…っ。」
怖いのに発情してるこの状態に泣きそうになった。でも俺にそんな資格ない。
今泣いていいのは仁人だけだろう。
あれだけ散々好きだと言っておきながらこの有様。謝っても許してもらえないかもしれない。
ずっと隣にいたい。そのためには越えてはいけない一線を踏み止まることが、必要最低限の条件なんだと思う。
「俺が好きなのは、あいつだけだから。」
必死に身体を動かしてマネージャーを探しに廊下へ出る。近くにいたスタッフさん達が俺を見て駆けつけてきた。
「佐野さん!?」
「マネージャーを、呼んでくださ…っ。」
「佐野さん!何があったんですか!?」
「ウマネ…俺っ。」
「とりあえず抑制剤を…」
「大丈夫っ、この後の予定はきちぃかも…。」
「気にしないでください!それはこっちで調整しますので帰りますよ!」
振り返るとオメガがポカンと口を開けたまま座り込んでいる。まるで俺が初めて仁人に振られた時の顔のようだ。断られるなんて思ってもいなかったって顔。
「仁人…、仁人の家に…っ。」
「え?その状態なのに?!」
「いいから…仁人のとこ。」
「…分かりました。無理は禁物ですよ。もちろん、その逆もです。」
「ん…。」
息を止めながらフラフラの足でその場を後にした。
オメガのあの人は呆然としたまま固まったままだった。
※前回のお話からセンシティブの登録しておいた方が良かったのかもしれません…。
ビックリされた方がいらっしゃいましたら申し訳ないです。
コメント
2件
お話めちゃくちゃ大好きです🥹 続き楽しみにしています😌🙌🏻