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長い夢を見た。たくさんの魔物に傷つけられ、追い詰められ、殺される。
ここはどこだろうか。黄色い花が敷き詰められたところで寝ていた。
ひどく痛む頭を支えながらただ一本しかない道を進む。
少し歩くと扉があり、そこには顔のある黄色い花が咲いていた。
『*ハロー!』喋った。こいつが夢に出てきた魔物だろうか、またはその仲間か。
『*ぼくはフラウィ。*おはなのフラウィさ!』丁寧に頭を下げて名乗ってきた。
『*キミは…』『*この ちていのせかいに おちてきた ばかりだね?』
地底の世界…落ちてきたせいで頭が痛むのか。
『*そっか じゃあ さぞかし とまどってるだろうね』
『*このせかいのルールもしらないでしょ?』
私がもともといたであろう人間世界とは違うのか。
『*それなら ボクが おしえてあげよう。』
『*じゅんびはいい?』『*いくよ!』
急に胸のあたりが光り、赤いハートが飛び出した。
『そのハートはね キミのタマシイさ キミという そんざいそのもの といってもいい』
『はじめは すごくよわい… けどLVがたくさんあがると どんどんつよくなれるんだよ』
この地底世界ではタマシイが飛び出たりしたりLVというものがあったりするらしい。
『LVっていうのは LOVE つまり「あい」のことさ!』
『キミも LOVE が ほしいでしょ?』
『まってね… いま ボクが LOVEを わけてあげるから!』
フラウィの体から白い何かが5つくらい出てきた。
『このせかいではね LOVEは こんなふうに…』
『しろくて ちっちゃな「なかよしカプセル」にいれて プレゼントするんだ』
『それじゃあ いくよ?』「なかよしカプセル」が私に飛んでくる。
『さあ! カプセルをおいかけて! いっぱい いーっぱい ひろってね!』
もしかして、あの夢はただの空想───バキッ
痛い、動けなくなるほどの重症を負った。なかよしカプセルは嘘なのか──
『バカだね』『このせかいでは ころすか ころされるかだ』
『こんな ぜっこうのチャンスを のがすわけ ないだろ!』
さっきの優しそうな笑顔は偽物…
周りを「なかよしカプセル」…いや弾が囲っていく。
この地底世界で死んだらどうなるのだろう。
『しね』
ゲラゲラと気味悪く笑うフラウィを横目に、激しい後悔と諦めの意思が私を襲った。