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にゅうひん☆
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445
マロン
273
💙「ふざけるな……!」
渡辺は怒りを剥き出しにして叫んだ。
見たくもなかった夢の中で、目の前の男にこれ以上狂わされたくなかった。
しかし、向けられた怒りを受け止めた目黒は「またそれか」と言わんばかりに、うんざりとした溜息を漏らす。
🖤「俺は、ただしょっぴーの相談に乗ってあげたいだけなのに……」
🖤「……あぁ、そうか。今って【涼太くん】と喧嘩してるんだっけ」
💙「……っ!、お前、なんでそれを……!」
心臓が跳ね上がった。
現実で起きた宮舘との喧嘩のことまで、なぜこの男は知っているのか。
恐怖で震える身体を奮い立たせ、渡辺は声を荒らげる。
💙「大体、お前!涼太くんなんて呼んだことないだろ……!?」
🖤「まぁ……。そっちはしょっぴーの【舘さん】だからね。でも、こっちは俺の【涼太くん】なんだ」
目黒は淡々した声で告げる。
何を言われているのだろうか。
渡辺の理解は追いついていない。
混乱して頭を抱えた渡辺を、目黒の仄暗い瞳が真っ直ぐに見つめていた。
🖤「信じられないだろうけど、俺はしょっぴーの知ってる目黒蓮じゃないよ」
🖤「――違う世界の、目黒蓮だ」
【違う世界の、目黒】
突飛すぎる告白に渡辺は息を呑んだ。
そんな渡辺を置き去りにして彼はどこか遠くを見るような目で静かに説明を続けた。
.
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世界が変わっても【宮舘涼太】という存在に起こる事象そのものは変わらない。
ただ、彼を取り巻く人間関係や環境が、世界線によって少しずつ形を変えるのだという。
🖤「つまりさ……涼太くんの恋人が俺の世界も、しょっぴーの世界も、それ以外の誰かの世界もあるんだよ」
無数に存在するという、自分の知らない【宮舘涼太】の世界。
脳裏を支配する混乱の数々に渡辺の視界が、じわじわと白く霞み始める。
🖤「あ、また覚めちゃう」
目黒は名残惜しそうに呟くと、いつも通りの底の知れない妖しい笑顔を浮かべた。
🖤「……次こそ、返事聞かせてね?」
その声を最後に、渡辺の意識は急激に暗転していった。
***
❤️「翔太、大丈夫……!?」
次に目を開けた時、目に飛び込んできたのは、白い天井と狼狽した恋人の顔だった。
鼻を突く消毒液の匂いで、ここが病院だと気付く。
💙「俺……どうして……?」
掠れた声で問いかける。
すると宮舘は今にも泣き出しそうな目で渡辺の手を握り締めた。
❤️「寝不足で倒れたんだよ……! 急に目の前で倒れて……本当に、心配させないで……!」
視界に歪みはない。
触れる手の温度も、本物の宮舘だ。
渡辺はあの時の激しい喧嘩を思い出し、ぎこちなく視線を泳がせた。
💙「ごめん……。でも俺達、喧嘩してるし…気まずかったから……」
お見舞いに来てくれるなんて思わなかった、と言いかけた渡辺の言葉を、宮舘が遮る。
❤️「だとしても、恋人だよ? 心配するに決まってるでしょ……」
宮舘の瞳には、大粒の涙が溜まっていた。
普段なら見せないその姿に、渡辺の胸がズキリと痛んだ。
夢の中の都合の良い恋人ではない。
目の前で自分を想って泣いてくれるこの男こそが、自分の愛する人なのだと実感した。
💙「……ごめん、涼太。俺が悪かった」
❤️「俺こそ、ごめん……」
お互いに謝罪の言葉を口にすると、張り詰めていた空気がすうっと溶けていく。
ぎゅっと手を握り直し、なんとか仲直りを果たした二人。
しかし、渡辺の胸の奥につかえたモノが消えることはなかった。
夢の中の目黒が残した【違う世界】の言葉。
自分を見つめている現実の目黒の視線。
そして、再び眠れば、どちらかの夢へと引きずり込まれる恐怖。
宮舘の手の温もりは心地良い。
しかし渡辺は自らが抱える問題の山に、人知れず足元を掬われそうになっていた。
next…
コメント
3件
うわぁ、怖い設定😱 世界がたくさんあるなんて、考えるだけで脳がバグっちゃう💦
うわ、このエピソードめちゃくちゃ引き込まれました……。夢の中の目黒と現実の宮舘さん、同じ“涼太くん”を巡る呼び方の違いがもう、世界線の違いを象徴してるみたいでゾクッとしました。現実で仲直りできた安心感と、一方で「また眠るのが怖い」という渡辺の胸のつかえが重なって、次どうなるのか気になって仕方ないです。伏線の張り方が絶妙ですね。