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#あべさく
めかぶぷりん
8,213
29
雪月❄️
357
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老舗料亭での公式会合が流れてから、わずか数時間後のこと。
夜の帳が完全に降りた裏路地は、昼間の熱気を吸い取ったかのように冷え切っていた。
🧡「……あー、もう、心臓に悪いわ、ほんまに//」
向井康二は一人、自分の熱い両頬を手で覆っていた。座卓の下で目黒蓮に強引に指を絡められた、あの熱い感触が、まだ手元に生々しく残っている。プライドが、あの真っ直ぐな瞳を思い出すたびに、じわじわと溶けていくのが分かった。
🖤「向井さん」
背後から、低く、甘く掠れた声が響いた。
ハッとして康二が振り返ると、そこには街灯の不確かな光を背に浴びて佇む、目黒蓮の姿があった。仕立ての良いジャケットを少し崩し、国宝級のイケメン顔に、酷く真剣な、そして狂おしいほどの独占欲を滲ませている。
🧡「め、目黒……! お前、なんでここに……。俺、今日はもう帰るって……」
🖤「帰さないって、さっき言いましたよね」
目黒は迷いのない足取りで距離を詰めると、康二が後ずさりする隙も与えず、その細い手首をガシッと掴んだ。会合の時よりもさらに強く、しかし決して傷つけない、絶対的な拒絶を許さない力強さ。そのまま康二の体を、路地の古いコンクリートの壁へと静かに押し付けた。完璧な、逃げ場のない「壁ドン」だった。
🧡「待て、目黒……! お前、お前のボスと俺のボスが、どういう関係か分かって……っ」
🖤「そんなの、一ミリも関係ない」
目黒の低い声が、至近距離で康二の鼓膜を震わせる。目黒の息づかいが触れるほどの距離。
🖤「俺は、俺の目の前にいる向井康二が欲しいだけ。……お宅のボスから奪い取る準備ができてるって言ったの、冗談だと思いました?」
🧡「あ……」
🖤「向井さん。俺、本気だから」
目黒の、一切の迷いがない「男の目」が、康二のすべてを射抜くように見つめてくる。康二の心臓は、破裂しそうなほどの音を立てていた。仕事に誇りを持つ男として、敵対組織の右腕にここまで手のひらで転がされ、胸を熱くさせている自分が、たまらなく愛おしく、そして恐ろしかった。
一方その頃、「Snow」の本部オフィス。
深澤辰哉は、一人きりになった広大な執務室の長椅子に深く身を沈め、静かに天井を見上げていた。阿部をはじめとした部下たちをすべて帰らせ、完全に静寂に包まれた部屋。しかし、深澤の脳内だけは、未だに嵐のような熱を帯びたままだった。
💛『だから……お前のその理想ごと、俺が全部守ってやる。俺の組織の圧倒的な力を使って、お前を誰も傷つけない世界へ連れて行ってやる。……だから、俺のモノになれ』
静まり返った部屋に、会合の席で岩本照が真っ直ぐに放った言葉が、何度も繰り返し流れる。耳の奥で、岩本のあの低く地を這うような声が、鼓膜を直接揺らしているかのような錯覚さえ覚えた。
💜「……な、に考えてんだよ、俺//」
深澤は長い指で自身の顔を覆ったが、手のひらを透過して伝わってくる肌の熱さは、到底隠せるものではなかった。ただの脅迫だ、ライバルの戯言だと、冷徹なマフィアの脳で切り捨てようとするのに、胸の奥がトクン、トクンと、不規則に甘く疼いてしまう。
これまでは、血筋の繋がりもない自分が、ただ努力と執念だけで若頭の地位まで這い上がってきたという自負があった。だからこそ、誰にも頼らず、誰も理不尽に傷つけないクリーンな組織を一人で作り上げるのだと、孤独な防壁を頑なに築いてきたはずだった。
それなのに、岩本の、嘘偽りのない剥き出しの独占欲と、自分を強く求める強烈な情熱が、その防壁をやすやすとこじ開けていく。
💜(守るって……俺のモノになれって……なんだよ、それ……)
思い出せば思い出すほど、心臓の鼓動が速くなり、首筋まで赤く染まっていくのが分かった。あの冷徹な岩本組長が、しきたりや利権などすべて無視して、ただ「深澤辰哉」という一人の男を手に入れるために、あの凄まじい熱量でプロポーズをしてきたのだ。
恐怖ではない。それは、今まで裏社会の泥の中で誰にも見せなかった、深澤の脆い本心を優しく、強引に包み込むような圧倒的な熱量だった。
自分が築いてきた頑固なプライドが、岩本のストレートな執着によって、じわじわと、しかし跡形もなく溶けていく。深澤は、自らの胸の内に芽生えた、言い訳のしようもない確かな「恋心」の存在を突きつけられ、熱い吐息を漏らしながら静かに息を呑んだ。
そして、夜の静寂が包み込む「Man」のシマの片隅。
車内という二人きりの密室で、渡辺翔太は隣に座る宮舘涼太をじっと睨みつけていた。
座卓の上に置かれたあのルビー。 shadowから射す宮舘の瞳にある、底知れない赤い執着。渡辺はシートに深く背を預け、耐えかねたようにタバコに火をつけた。
💙「おい、宮舘。いい加減にしろよ。お前さっきから、なんでそこまで俺にこだわる。脅迫状だのティアラだの、ライバル組織の組長にする執着の規模じゃねぇだろ。お前、マジで何なんだよ」
渡辺の苛立ちと困惑が混ざった問いかけに、宮舘は静かに視線を向けた。その気品ある瞳の奥に、切ないほどの熱が灯る。
❤️「……本当に、覚えていないんだね、翔太」
💙「あぁ? 何の話だよ」
宮舘はゆっくりと手を伸ばし、渡辺が咥えていたタバコをそっと奪い取ると、携帯灰皿に押し付けた。精度を欠かない穏やかさで、しかし重い事実を告げるように、その名を口にした。
❤️「幼い頃、君の父親の隠れ家で、毎日一緒に遊んでいた男の子を覚えているか? 君が『涼太』と呼んで、いつかまた一緒に遊ぼうと約束した……その幼馴染が、俺だよ。翔太。」
💙「……はっ?」
渡辺の思考が、完全に停止した。
青い諦めに満ちた世界の中で、唯一色鮮やかに残っていた、あのロイヤルだった初恋の記憶。その霧の向こうにいたはずの男の子が、目の前にいる最大の宿敵──宮舘涼太だという、あまりにも残酷でドラマチックな真実。
衝撃のあまり言葉を失う渡辺を、宮舘の深い視線が、静かに、しかし完璧に捉えて離さない。
それぞれの境界線で、決定的な一線を越えようとしていた。
目黒のゼロ距離の包囲網に囚われた康二。
岩本への恋心に気づき、一人静かに顔を真っ赤に染める深澤。
正式な幼馴染の正体を知り、あまりの衝撃にただ立ち尽くすしかない渡辺。
夜の境界線で起きたすべての出来事が、いよいよ、四つの組織の運命をすべてひっくり返す出来事が起こるまで音を立てて回りはじめようとしていた。
ちょっと雑談&活動報告させてください!
まずは♡8000ありがとうございます!!
今回すごいセリフ少なくてあんま納得いってないです…
もうすぐハロウィンなので次回で終わらせたかったんですけど以外に進んでいないので次回急ピッチで物語進んで終わると思います…(笑)
マフィアパロ終わった後はハロウィン投稿します!
苦手なR-18もすこし書こうと思っているのでお楽しみに…
コメント
1件
めかぶぷりんさん、マフィアパロ9話読み終えました…! もうね、どのカップルも最高すぎて心臓がいくつあっても足りません😂 特に目黒くんの壁ドン&「本気だから」は反則級の破壊力でしたし、深澤さんの岩本さんへの恋心自覚シーンも熱かった…! 渡辺さんと宮舘さんの幼馴染真相も衝撃で、続きが気になりすぎます。 セリフ少なめとのことですが、むしろその分、視線や仕草で語る大人の駆け引きがたまらなく色っぽかったです✨ 次回で終わりとのこと、名残惜しいけど楽しみにしてます!