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7月の下旬となり、本場の暑さがちかずいてきた。この暑さで、ふと思い出した事があった。
タイムリープする前、色々とあって監禁されていた武道は過去よりも暑い未来の夏を経験した。それは全く記憶がない武道が持っている数少ない記憶。
その時の俺はまだ逃げる決意があって、何度も目を盗んでは逃げていた。でも、結局は捕まってお仕置というものをされていた。抱かれるのはとても辛かったが、何よりも辛かったのは暑い部屋に放置されることだった
その部屋は窓があったが飛び降りる高さではなかった。尚且つ南西の光がよく当たる場所でエアコンもなかっので夏は灼熱だった。俺はただただその暑い部屋に熱中症を起こす位まで閉じ込められてた。本当に、後遺症が無いのは奇跡なんだろう。彼等にはお仕置だっただろうが俺にとったら刑罰だった
こんな事を思い出している内に先生の話は終わり、夏休みが始まった。周りは夏休みにどこか行こうかと友達を誘っていたが、武道は相方に会いに手早く帰る準備をしていた。教室からでて玄関に向かっていると
「武道君」
橘日向、過去では武道の彼女だった人がいた
「どうしたの?」
「えっとね〜…その…」
言いづらい事なのだろうか。顔を少し紅くしていた。しかし、直ぐに落ちついて武道をみて発した
「8月3日にお祭りがあるんだけど…一緒に行かない?」
それは武道にとっては友達からのお誘いだっただろう。然し、こんな人を誘うのかと疑問視した。日向は綺麗で学校でも人気なのだから友達も沢山いるだろう。だがそれでも日向は武道を選んだ。それがよく分からないのだ
「いいけど…他の人誘わなくていいの?」
「うん。武道君がいいの。それにさ…」
少し怒った口調で言葉を出した
「最近武道君、直人と仲良いからさ。」
ぷくーとほっぺを膨らませた。
「…うん。分かった」
あぁ、過去の俺はよくこんな子と付き合えたなと感じた。こんな眩しい子と、天秤にかけたら一生釣りあえないような子と
「武道君、大丈夫ですか?」
「うん?…」
「さっきから上の空に見えますよ」
「あぁ…うん」
日向の誘いを受けた後、二人で帰った。そして昼ご飯をすまして今直人が目の前にいる。今日は前に少しでた抗争の事を考えるのだが、何時もよりも返事が少なかったのだろう。直人は相方を心配したのだった
「いや、ちょっと今日眠たくて」
「あぁそうでしたか。でしたら早めに進めましょう」
そう言い直人はびっしりと書かれたノートを取り出した。武道は前にも見た事はあるのだがこうやって見るとよくこんなに書けたなと思う
「7月27日、僕達は愛美愛主と東京卍會が抗争をする火種となった出来事をとめました」
「うん、そうだね」
「このままいきますと抗争は起きなくてすみます。然し、あの日武道君が言った通りあるかもしれない。今回はもし起きた場合の対処法です」
そう言いノートを捲りあるページを武道にみせた。それは起きるかもしれない抗争についてであった
「まずこの抗争について話します。この抗争は勿論愛美愛主と東京卍會です。この抗争である人物が殺されます」
「愛美愛主の総長?」
「いえ、違います。東京卍會副総長龍宮寺堅です。」
「……?じゃああの総長は何時に刺されるの?」
「その人は刺されはしますが生きてます」
首を傾げる武道をみて直人は1から説明しないとですねと言う
「詳しく言えば、抗争は2つおきます。1つ目は長内が刺される、2つ目は先程言った龍宮寺堅が殺される。1つ目は前にとめましたので可能性は低いです。然し、2つ目が起きるかもしれません。」
「あぁ、長内が総長なんだね。それでその長内が刺されるのは一回目の抗争か」
「すみません。ちゃんと説明したら良かったものを……」
「良いよ、それに分からなかった俺も悪い 」
「そんなことはありません!」ガタン!
「っ!?」
勢いよく立ち上がり武道を否定する。大きな音を出してしまい驚かせてしまったが直人は目を暗くしていた。初めてこの部屋で話した時みたいに
「武道くんは悪いありません!悪いのは僕です!ちゃんと説明していなかった僕が悪いんです!」
「分かった…わかったから声あげないで」
「…すいません。カッとなってしまって…」
「うん…。えっと…龍宮寺堅だっけ?その人が殺される抗争の事」
「はい。この抗争、僕も人が殺されることしか分かってないないんです」
さっきのとうってかわり冷静沈着に話す。普段と同じはずなのに今は怖く感じてしまう
「…松野に聴いたらいいってことかな?」
「そうなりますね」
「わかった。今日中に聴いておくよ」
同日の夜
「やばっ!集会ある事伝えるの忘れてたっ!」
そう言い千冬は彼の師匠に電話をかける。今日はこの時間に修行をする事になっていたが上の通り、伝えるのを忘れてしまい師匠を待たせてしまっているのだ。
『もしもし、遅いけどどうしたの?』
「すいません!今日集会あるの伝え忘れてました!!」
『あっ…そうなんだ』
「ほんっとにすみませんでした!!!!」
師匠には見えないが最敬礼をした。副隊長がお辞儀、しかも綺麗な直角なので周りの隊員が驚き一体どんな人に電話をしているんだと聞き耳をたてる。
少しだけ余談だが、前回の隊長、副隊長達のタイマンの件で前迄は舐めた態度をとっていた隊員達は手のひらを返し今は敬語をしっかり使うようになっている。この事に千冬はちょっと鬱陶しいなと思っている
『なんかあったの?』
「いや〜…まぁ今日緊急の集会なんすよ」
『緊急?』
「え〜と……」
言っていいのか少し悩む千冬だが師匠だしいいかと結論付けた
「ある所と抗争するんすよ。その集会っす」
『…!!っそれどこと?』
「えっ?」
聞いた事がない食いつきに少し驚く
「愛美愛主って所すけど…知ってるんすか?」
『何時に起きるの?』
「え?えっと八月三日…だと思うっす」
『八月…三日』
「師匠…どうしたんすか?愛美愛主の事知ってるんすか?」
『いや…なんでもない……集会頑張って』
「う…うっす」
ツー、ツー、ツー
「師匠…」
思い出せば、初めて会った時東京卍會を知っていた。そして愛美愛主も知っている。なんで、なんで知っているのだろう。不良の事はあんまり分からないのに
「千冬ー!集会はじまるぞー!」
「っはい!すぐ行きます!」
「今日!愛美愛主から抗争の宣戦布告を受けた!」
声を張り上げて伝えるのは多種多様な隊員を束ねる東京卍會の総長佐野万次郎だ。最強で悪い意味での唯我独尊と名高い彼は彼より悪名高い暴走族と闘うことを話す
「愛美愛主に日和ってるヤツいる?いねぇよなぁ!!愛美愛主潰すぞぉ!!」
雄叫びに近い歓声が暗い神社に鳴り響く
「抗争は八月三日の武蔵祭り!祭りで浮かれるんじゃねぇぞ!!」
隊員は活気の良い返事をし隊長辺りは少しニヤケていたが1人だけ相方の副隊長に目を配っていた
「おーい千冬」
集会も終わり、師匠の事を考えてた千冬に最も尊敬する男場地圭介が話しかけに来た
「はい何ですか?」
「お前さ…今日話聞いてたか?」
「…え?」
「集会中、ずっとお前ぼうっとしてただろ」
「え?…そうっすか?」
しらばくれているが場地の言う通り、師匠の事について考えていた
「しんどいのか?」
「いや…ちょっと悩み事がある…みたいな」
「そうか。まぁ集会中には悩むことは控えた方がいいぞ」
「うっす」
じゃ、俺帰るからと言い鳥居をくぐる場地を見続ける。然し、それでも心の中では師匠の事しかなかった
(俺、どうしたんだろうな)
こんなに悩んだ事は今迄になかったのでどう解決しようかと考えていたが
「千冬」
「ん…っ!お疲れ様です!」
総長である佐野が話しかけに来たのだった
「なんか場地に注意されてたけど?」
「えぇ…まぁ悩み事と言うか……その…」
「どんな?」
光を受け付けない様な黒い目を千冬に向け疑問を投げかける。自分の悩み事なので話さなくても良いかもと思っていたがその目の圧力によって話してしまった
「実は…ちょっと前に弟子入りしまして…」
「弟子入り?」
「ウッス、その人に前助けられた事もあって弟子にして欲しいと言って弟子にしてくれました」
「へぇだから最近強くなったんだね。で、その事でなんの悩み事抱えてるの?」
「その人…師匠ッスね。族に入ってなくて、それでも結構族についての知識はあるんですよ。俺達の事もですし愛美愛主だってそうでした」
「ふーん…まぁそう言うのは本人に聞いた方が早いよ」
「そうっすよね〜…会った時に聞いてみようとおもいます」
「うん。そっか、師匠かー…」
口角を上げて不敵な笑みをする。
こう言う笑顔は大体何かやばい事を企んでいると場地さんから聞いたことがあった。とても嫌な予感がする
「ねぇ師匠って族入ってないんだよな?」
「う、うっす」
「その人東京卍會に入れよう!」
「………」
「その人強いんでしょ?東卍に勧誘したら千冬もっと強くなるかもしれないし他の奴らもめっちゃ強くなるも!」
確かに佐野の言う事は正しいかもしれない。
然し、それでも…
「嫌です」
「……は?」
「嫌です。」
師匠は千冬の師匠である。もし、東卍に入って他の人達に教えを説いたら師匠は千冬だけ の師匠ではなくなる。それが嫌なのだ
「……そっか。分かった」
千冬の考えを読み取ったのか何時もは強引に事を進める佐野だが今回はすぐに諦めた
「でも、もし他の族にお前の師匠を見つけたら絶対に勧誘すると思うよ」
「っ!」
「まぁそれは師匠次第だけどね」
佐野の意地悪さに口を出そうとしたが遠くから聞こえる副総長のそろそろ帰れよの声によって遮られてしまった
「じゃ、抗争頑張ろうね」
そう言い佐野は副総長の方へ歩いていった