ーーーアジトーーー
青「ただいま……」
橙「どうだったん?」
黄「……何も……なかったです。」
赤「え?」
黄「多分……あの博士を倒したらデータが消えるってやつだと思います」
桃「ん…………」
青「桃くん!!」
桃「…………だれ……ですか」
青「青だよ?本当に忘れちゃったの?」
桃「…………博士……」
橙「いないで……」
桃「…………いない?」
黄「はい……死にました」
桃「??」
青「…………」
桃「博士……死んだ」
橙「あぁ」
桃「なぜですか」
橙「俺が……殺したからや」
黄「橙くん」
桃「殺した?貴方がですか?」
橙「コクン」
桃「……博士を殺した人を殺します。」
黄「えっ」
赤「ダメ!!!桃くん!」
桃「そう言う設定です」
青「桃くん!!」(桃を拘束する)
桃「離してください」
黄「桃くん!思い出してください!僕達、仲間であり、大切な家族です!」
赤「そうだよ?思い出してよっ」
桃「仲間……家族……?」
青「そうだよ!」
桃「…………設定にそのようなデータは入っておりません」
橙「また設定か……」
桃「あと、桃とは誰ですか。私は3103番です」
黄「っ……君の名前だよ」
桃「私は3103番です」
橙「そうやけど、桃とも言うねん」
桃「初めて聞きましたが?」
橙「博士が言うてたねん……」
桃「分かりました。上書きします。」
青「本当に……改造されてたんだね」
橙「桃……思い出せないのか?」
桃「何がですか?」
黄「僕たちのことです。」
赤「博士の命令で記憶消しちゃったの!!それを元に戻せないの!?」
桃「1度消したのなら無理です。」
青「橙くん……なんで記憶消す前に殺させなかったの?」
橙「そしたら桃が怪我するやろ…もしかしたら死んでたかもしれへん」
青「でも!何とかできたでしょ!?」
黄「青ちゃん……橙くんだって記憶を無くす前に殺したかったと思います。でもそれで桃くんが死んだら意味ないじゃないですか。」
青「でも!でも!」
黄「桃くんが戻ってきてくれたんです。まぁ、連れてきたんですけど……それだけでも良くないですか?」
青「…………グスッ」
橙「大丈夫や」
青「何が……」
橙「……少しな、違和感あるんよ」
青「違和感?」
橙「それが分かったら戻るかもしれへん…少し観察したいねん」
黄「…………任せます」
橙「あぁ」
桃「……」
赤「桃ちゃん思い出して……」(桃に抱きつく)
桃「離れてください。あの人を殺してし新しい支配者様を探さないといけませんので」
橙「新しい……支配者?」
桃「はい、私は命令が無いと生きて行けないので」
橙「ならその支配者、俺らがなるわ」
赤「え?」
黄「どうゆう事ですか」
青「…………」
橙「桃の博士、支配者を倒したのは俺らだ。だから俺らが桃の支配者になる。いいな?桃」
桃「…………それでは設定が」
橙「今は俺らが支配者や、その設定はなしにしろ」
桃「……分かりました。」
黄「僕達が桃くんに命令するって事ですか?」
赤「そんなの嫌だよ!」
橙「んな事、する訳ねぇだろ?」
青「え、違うの?」
橙「桃……記憶あるんとちゃうか?」
桃「………………」
黄「え…どうゆう事ですか?」
橙「今ので確信つけたわ、桃は命令を1個ずつしか聴けないんや」
赤「……それで?」
橙「桃が記憶を消してる途中、あいつは命令を変えた」
赤「あ……助けろって」
橙「あぁ、だから記憶は消えてない……だろ?」
桃「…………なんのことですか」
橙「おかしいねん……」
桃「何がですか」
橙「博士が消えて殺した人を殺す設定ならもう俺は桃ちゃんに殺されてる。わざわざ口にしないやろ?」
桃「…………」
橙「そうゆう設定を自分で作ったんやろ」
黄「そうも考えられますが……」
橙「しかも桃は俺らを支配者と設定してない、桃が命令を聞く時はピクっと少し動くねん。後、設定を変える時は口に出して言うねん。しかも変えるのに少し時間がかかる、けどかかってなかった。」
青「確かに、普通の命令の時はぴくってなってただけだけど、設定に関わる命令は、命令文を繰り返してた。」
橙「そう、だから俺は桃に記憶がまだあるって思ったんや」
桃「………………」
黄「なんでそんなことを……」
橙「俺らの前から消えたかったからやろ?だから新しい支配者を探すといったんや。でも俺らが支配者になると思わなかったんやろ。支配者なると桃ちゃんに命令しなくちゃならないから、そうなると俺らが嫌な思いしなくちゃいけなくなるから」
桃「………………」
赤「なんで俺らから離れるの?」
青「記憶があるならここにいればいいじゃん!」
橙「そこまでは俺には分からん……」
赤「桃ちゃん……なんで?」
桃「………………」
橙「桃ちゃん……話してや」
青「なんで離れようとするの?」
桃「何を言ってるのですか?」
赤「え?」
桃「私には貴方達の記憶がありません」
橙「嘘つかんといて」
桃「嘘ではありません」
黄「じゃぁ、なんでそんなに苦しそうな顔をしてるんですか?」
赤「そうだよ!忘れてるなら感情も忘れてるでしょ?なのになんで苦しそうな顔をするの?」
桃「………………」
青「桃くん言って?」
桃「………………ない」
橙「ん?なんや?」
桃「……分からない」