「おい侍!こんな…こんな事していいと思ってんのかよ?!」
さっき目の前で、たっつんが血を流して倒れた
急に……こんな事出来るのは侍しかいない!
「落ち着け、これは拙者の仕業ではない」
「嘘つけ!こんな事出来るのはお前しかいないっ!」
俺は侍に殴り掛かった
けど……
「お主、死にたいのか?」
いつの間にか侍がすぐ横にいて、刀を構えていた
っ…あれで斬られたら……間違いなく俺が死ぬ!
「そこで黙って聞いておれ
そこのたっつんとやら、お主の前のゲームの進行役はフローラだったか?」
フローラ……確か、たっつんの前のゲーム進行役だったよな…
その事が、これと一体何の関係があるんだ?
「そ‥そうです…けど……ガフッ」
たっつんが、また血を吐いた
「……死を覚悟しろ」
侍の言葉を、俺は聞き逃さなかった
「侍、死を覚悟しろって……どういう事だよ?」
「……フローラのゲームの特徴は、自分で自分を傷つける…まぁ、そんな感じのゲームだ
自分を傷つけるための道具のナイフ、それは全く洗っていない……これがどういう事か分かるか?」
「感染症…」
なお兄がそうつぶやいた
「そうだな、感染症だ
前のゲームの参加者が持っていたウイルスや菌がナイフについたまま……
そんな不衛生なもので自分を斬ったら、ウイルスが体内に入る、それの繰り返しでだいたいの人が死ぬ」
侍も、なお兄のつぶやきが聞こえたようで、感染症について説明した
でも……
「そんなの……絶対たっつんが死ぬって事じゃ…」
「……まぁ、そういう事だな…」
一瞬眩しく光り、思わず目を閉じた
そして再び目を開けた時には、侍と、たっつんは目の前にいなかった
嘘だろ……どこに行ったんだよ?!
「じゃぱぱさん!これ見てください!」
なお兄が、焦った様子で壁を見つめている
何だろ?
そこには……がんばれと、血でかかれていた
これを書けるのは……侍?
侍が書いたのか?
……まったく…敵か味方か、どっちなんだよ
まぁ、応援してくれてるって事かな…
…ありがとな、侍
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