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『逃げないと……』と、
那須は思考が白く霞む中、必死に言い訳を探していた。
『…え、え〜っと…』
『み、道枝くん…わ、私そろそろ帰るね!明日大事な撮影があって…』
軽く道枝の胸を押し、立ち去ろうとした、
その刹那――
駿佑「…帰さんで」
道枝は那須の腕を乱暴に掴み、その足を止め
彼女を壁に押し付け、顔の横に手をつく。
ーー所謂、壁ドン。
だが、甘さなんて一切ない。
ただの“拘束”だった。
『っ……』
顔も近い。
息がかかる距離。
『っこっ、今回のことは誰にも言わないから!…』
『お願い…!返して…!!』
涙を滲ませながら、
声を震わせて訴えるが……
駿佑「嫌や」
駿佑「見られたからには、帰したくない」
『っいや…!』
道枝は強引に那須の 手首を掴んで…
『いたっ…』
問題無用に、
ベッドだけが据えられた薄暗い部屋に連れ込み、
彼女をそのベッドの上に放り投げ、
馬乗りしては…
どこから取り出したのか、彼女の手首に手錠を掛けた。
『なに、これ…』
駿佑「手錠。見たらわかるやろ?」
『っこ、こんなの可笑しいよ…!』
『普通好きな人にこんなことっ……!!』
那須が『普通じゃない』と声を荒げて訴えようとすると、
それを遮るように…
キスをして止めた。
段々と、段々と、
そのキスは深くなる。
駿佑「…俺はこんなに好きやのに」
顔が離れると、
道枝は冷徹な目で那須を見下ろす。
駿佑「毎日考えて、会えへん日は写真見て」
「どこにおるか気になって」
「誰と話してるか気になって」
『み、道枝く…』
駿佑「…ねえ、〇〇は…俺のこと嫌い?」
…なんて聞く彼の瞳には、
光は灯っていなかった。