「ねぇ,君」
僕は声をかけられた。
僕はゆっくりと振り向く。
そこに居たのはクラスメイトの新城玲奈(しんじょうれな)だ。
「君,絵が上手だね」
僕は趣味である絵を書いていた。
「美術部?」
「いや、これはただの僕の趣味」
「へ〜趣味で描いてるんだ〜」
10秒くらい間があいてから
「あのさ,……私の専属の画家にならない?」
いきなりとんでもないことを行ってくる彼女。
もちろんそんなことに付き合う必要は無いと判断した。
「遠慮しとくよ」
「なんでよ!」
なぜなら彼女はクラスで人気者。誰からも好かれている。
そんな彼女に対して僕はクラスメイトに誰からも覚えられていないくらいの存在だ。ましてや僕は誰とも関わりたくない。
面倒だ。
「君と僕とは立場が違う」
「君はクラスの人気者。僕はいてもいなくも同じような存在」
「誰も僕の名前なんて覚えてないだろう」
「君と関わるとろくなことにならなさそうだ」
彼女は何故かくすくすと笑う。
「何がおかしいのさ?」
「いやー、さ」
「クラスメイトなんだからさ名前なんて覚えてるに決まってるじゃん!」
「新谷太陽(しんたにたいよう)……でしょ?」
「いい名前じゃん!」
「嫌いなんだよね,自分の名前」
「太陽なんて,まるで僕とは違う」
「なんでよ!太陽……君にピッタリなんじゃない?」
「どこがさ?」
また彼女は笑う
「知ってる?名はその人を表すって」
「だから君にピッタリなんだよ!」
そんなのただの迷信だ。太陽だなんてやっぱりどう考えても僕には合わない。
「ふーん」
返事をしないのは失礼だと思い適当に返事をした。
「何?その返事!」
「返事をしているだけでもありがたいと思ってよ」
「ほんと君,礼儀ないんだね」
「あっ,もう5時じゃん!」
「帰らなきゃ」
時計の針はもう5時を指していたのだ
「また明日ね〜」
「はぁ〜」
僕はため息を吐いた。僕は決心したのだ。も彼女には関わらないと。帰宅の用意をした。
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