テラーノベル
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9人全員揃っての収録日。
楽屋では相変わらず賑やかで、他のメンバーと楽しそうに絡む佐久間くんの姿があった。
今は康二とラウールとふざけ合ってる。
俺も構ってもらいたい。
でも、動機が不純過ぎて自分から踏み込めない。
本音を言えば、俺だけに構って欲しいけど。
そんなこと言えるはずないじゃん。
「れーん? どした??」
離れたところでぼんやり座ってると、それを目敏く見つけて側に来てくれる佐久間くん。
ほら、そういうところ。
自由に見えて周囲を常に気遣ってる人だから。
そんなところも大好きで堪らなくて、また好きが募っていくんだ。
「何でもないよ。ぼーっとしてただけだから」
「…本当に?」
「うん、本当。気にしてくれてありがとう」
そう言って笑ってみせると、何か言いたげな顔で見返してくる。
俺、どこかおかしいかな。
少しだけ不安になるけど、上手く隠し通すしかない。
「蓮はさ…」
「そろそろ収録始まりますので、みなさん移動お願いしますー!」
佐久間くんが口を開いたのと同時にスタッフの方が呼びに来てくれた。
一瞬そちらに視線を向けてまた佐久間くんに戻すと、そこにいたのはもういつも通りの彼で。
「始まるって! 行こーぜ、蓮」
「うん、そうだね」
そう言って立ち上がった俺の腕に、佐久間くんが腕を絡めてきてドキッとする。
佐久間くんにとっては何でもないスキンシップだろうけど、俺にとってはそうじゃない。
「ちょっと重いって」
「いいじゃん、こんくらい! 一緒に行こうぜ!!」
ニコニコと笑う佐久間くんに目が眩む。
同時に、俺のことなんて何も意識してないんだろうなって思って少し悲しくなった。
こんなにドキドキしてるのは俺だけなんだ。
「最近さ、蓮、あんまり俺の側にこないだろ」
「え…っ」
気付かれてたことにびっくりする。
側にいると気持ちが抑えられなくなるから、確かに最近は距離を置いてるけど。
「だからさ…スタジオまでくらいならいいだろ?」
「佐久間くん…?」
そう言って伏し目がちに笑う横顔は儚げで。
普段とは全く違うその表情に、また恋に堕ちる。
俺はこれから何度、この人に一目惚れを繰り返していくんだろう。
コメント
2件
ヤバい…もう好き💕 この切ない感じ ( இωஇ ) そして分かります!!あんなに可愛いのに、カッコいいも色っぽいも面白いもついてる人…最高過ぎますよね