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18 - 第6章 1話 二人と御三時

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2024年09月11日

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二人は恐らく互いに好意があるのだろう。

紅は自覚していて、藤花ちゃんは多分無自覚だ。

どちらも積極的な性格ではないから、中々進まないままだ。

藤花ちゃんの恋心への自覚は葵ちゃんに任せた。

紅の背中を押すのは俺だ。


想定より早く見終わってしまった俺はどうしようか迷っていた。

バレーの方を見ている紅と合流しようか。それとも違う所を見ていようか。

考えは深まるばかりで答えは出ない。

俺は最終的に紅達の所に行くことにした。

「バレーのエリア…この辺か?」

少し覗いてみると、探している人を見つけた。

「…あれ?」

しかし、紅と藤花ちゃんしかおらず葵ちゃんの姿は見受けられなかった。

もしかしたら、葵ちゃんは空気を読んで二人っきりにしたのだろうか…。だとしたら俺も離れておくのが得策だろう。

そうして離れていると葵ちゃんが二人を見ているのが目に入った。

「葵ちゃーん!二人に気遣ってる感じ?」

「朔君!そんな感じよ!」

葵ちゃんの話曰く、途中で二人だけの世界に入り始めてしまった為、邪魔にならないように一声掛けて離れたらしい。

「ホント紅と藤花ちゃんってお似合いだよな」

「見てるコッチがドキドキするわよね」

「マジでそれな」

そんな会話を交わしつつ、無意識にイチャイチャしているであろう二人を覗く。

「紅君が普段使ってるサポーターってこれで合ってたよね…? 」

「うん、合ってるよ。よく分かったね?」

「えっと、その…バレーしてる紅君格好良くて、いつもみ、見てるから…」

「…!あ、ありがとう…」

互いに照れているのがここからでも分かる。はよ付き合えよ。全力で祝うから。

「…どうするよこれから」

「早めのおやつタイムにする?一階にアイス屋があったはずよ。二人で一つのコーンにして、間接キスさせちゃいましょう」

「良いなそれ。じゃあ2時を過ぎたらその案でいってみるか」

さらなる計画を俺と葵ちゃんは立てていた。二人の恋が実ることを願って。


「紅〜!藤花ちゃ〜ん!こっちこっち!」

「早いね朔」

「すぐ見終わったからな!」

紅と会話を繰り広げつつ、藤花ちゃんに目をやると何だか顔が紅い。先程のイチャイチャ会話が原因だろうか。

よく紅は普通の顔で居られるな、と思いつつ葵ちゃんと考えた作戦に二人を誘導した。

「ちょっと早いけどおやつ食おうぜ!一階にあったアイス屋で!」

「私も、おやつにしたいと思ってるのだけど…紅君と藤花ちゃんはどう?」

「あそこのアイス屋、近くを通った時食べたいって思ったから行きたいな」

「藤花が行くなら僕も」

流石、藤花ちゃんモンペだと感心する。しかし表情的に紅もアイス食べたがっているのが伝わる。

「じゃあ決定!行くぞー!」

そう三人に声を掛けると、アイス屋に向かって歩みを進めた。


見ているこっちがドキドキするような、THE・青春を繰り広げる二人を見ながら俺は微笑んだ。

あの時、母ちゃんのお使いに行って良かったと本気で思う。

葵ちゃんと共に、邪魔が入らぬよう見守っていくと心から誓った。





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